34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/11(金) 19:15:14.07 ID:95e+9Xdq0
「色羽櫛。いろは櫛、単にいろ櫛とも呼ぶらしい。妖怪と言うよりは、霊の類だろうな。
臥煙さんを通して調べてもらったんだけど、あの立て櫛には、何人もの女の子の怨念とも呼べる程の思念が備わっていた。
結論から言えば、何人という女の子の念の集合体だけあって完全に祓うことは難しくて、完全に彼女たちが満足するまでは何度でも繰り返す。
現時点での対処法は、真美ちゃんの身体から追い出すしかないそうだ」
追い出せば自然と母体である立て櫛に戻る、という話だ。
ちなみに臥煙さんへの報酬としては、中身を教えてもらうだけなら櫛を渡すだけでいいらしい。
何でも現代化の進んだ今では霊験あらたかな古物は価値がある、との事だ。
こちらとしては呪いのアイテムでしかない品を引き取ってくれるだけでもありがたいので二つ返事で了承したが、毒を以て毒を制す、ということなのだろう。
再利用すると言っていた。
けれど解決方法は教えてもらえなかった。
教えてもいいけど借り一つだよ、と言われて尻込んでしまった自分が情けない。
しかし臥煙さんに借り。恐ろしい響きだ。
「そも、立て櫛とは何じゃ」
「ああ……日本髪を結う時に使う櫛だよ」
箒のような形状をした櫛だ。
今でこそ馴染みのない櫛だが、日本髪を結髪する時には欠かせないらしい。
月火ちゃんなら持っていそうだ。
「その怨念とは?」
「まあ、簡単に言ってしまえば男性と付き合う事なく死んでしまった、思春期の女の子がいたとする。
恋がしたくて、女性としての人生を歩みたくて、けれどそれは 叶わず未練を残し逝ってしまった。
それ自体はそこまで珍しい話じゃない。けれど、事実は事実として残ってしまう。
いつしかあの櫛には、『この櫛を使うと男性と添い遂げる事なく死ぬ』なんて噂が何処かで立ってしまった」
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