14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/04/15(火) 05:47:27.58 ID:fX5a1w8N0
「え…? な…何だよ…何だよ、この音……」
近くにいた、廣岡誠(男子14番)と目があった。 誠は目を見開き、体を震わせていた。 邦康はゆっくりと誠の方に歩み寄った。
「ねぇ…なんでそんな顔するんだよ…ねぇ…廣岡ぁ…」
誠は何も言えなかった。
僅かに口許が動いていたが、声帯が麻痺したかのように、声が出なかった。
「能勢さん…ねぇ…この首輪…何なの…?」
能勢杏奈(女子15番)は、段々速くなっていく電子音を聞いて、ただぼーっと邦康を見つめていた。
「ねぇ…怖いよ…何で誰も教えて…くれないの…? 藤岡ぁ…」
「う…うわあぁぁぁ…よ…寄るなあぁぁ!!」
藤岡照昌(男子15番)は席を立ち、邦康から離れた。
「え…?どうして逃げるんだよぉ…原田さん…」
原田千秋(女子16番)は体をガタガタ震わせ、「あぁ…」と声を漏らした。
ピピピピピピ、と電子音はさらに速くなっていく。
邦康の表情が引きつったものから、泣き顔へと変わっていく。
「ねぇ!なんなんだよ!君なら教えてくれるよね!?皆川!!」
皆川玉樹(男子16番)は、「邦康…」と震えた声で、泣きそうな顔で、邦康を見つめた。
「いやああああああ!!」
恐怖の頂点に達した千秋が泣き叫んだ。
それと同時にピーッと電子音が鳴り響いた。
ぼん、とごもった爆発音がし、邦康の首が胴から離れた。 先に頭が床に落ち、それからゆっくりと胴も倒れた。 邦康の目はぼんやり天井を見ていた。 胴体は、ビクビクと痙攣していたが、それもやがて止まった。
部屋中が静まり返った。
そして、ソプラノとテノールのコーラスが教室中に響き渡った。
「はい! 静かに! わかったかー!
こうなるから、決して禁止エリアには入らないようになぁ!」
進藤が手をパンパン叩きながら叫んだ。またあの爽やかな笑顔を浮かべて。
「もしも最後に誰かが死んでから24時間以内に誰も死ななかったら、
そこで終了!
生き残ってる人の首輪は、一斉に爆発するぞ!
まあ、例は少ないから安心してくれていいぞ!」
そこまで言って、進藤が咳払いをした。
「他、質問は?」
誰も何も言わなかった。
良樹は邦康の死体が転がっている方を見た。 誠も照昌も玉樹も顔色が悪い。 当たり前だが。
「質問はないようだな! では、順番に出て行ってもらうぞ!
あっとその前に…みんな、紙切れがあるな?
それにプログラムに参加するにあたって、何か書いてくれ!」
良樹はボールペンを右手に持った。
「何でもいい!
ゲームに参加する意気込みでもいい、親に向けた言葉でもいいぞ!」
生徒達はそれぞれペンを走らせた。
『みんな殺そうなんて思ってないよな?』
良樹は、不安に思っていることを書いた。
少なくとも、オレは絶対に乗らない…そう思いを込めて。
「よっし!じゃあ、出て行ってもらうぞ!」
そう言うと、進藤はポケットから封筒を出し、手で封を切った。 そして紙切れを1枚取り出した。
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