269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 09:45:31.30 ID:aFMIt3ru0
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大下弥生(女子5番)は3号館付近にある草の茂みの中に隠れていた。
数時間前に幼馴染の伊月伴太(男子2番)に声をかけられた。
伴太は武器を持っていなかった。
でも、信用出来なかった。
もしかしたら武器を隠してるかもしれない。
そして、油断してる隙に殺されるかもしれない。
そう思うと、幼馴染でも怖くなり、逃げ出してしまった。
「もう……もう、誰も信用出来ないよ……」
蹲り、ポロポロと涙を零した。
それからどれくらい泣き続けていたんだろう。
突如、足音が聞こえ、弥生は顔を上げた。
草の隙間からそっと伺う。
そこにいたのはーーー。
「嘘……」
幼馴染の伊月伴太だった。
伴太は相変わらず武器を持っていない。
ーーーどうして?
どうして武器を持たないの?
……もしかしたら、私、勘違いしてた?
そう思った瞬間、一気に伴太に対する罪悪感がのしかかってきた。
……私、謝らなきゃ!
許してくれるか分からないけど、謝らなきゃ!
伴太を信じることを決意した弥生は草むらから飛び出した。
瞬間ーーー。
「ぎっ!!」
伴太の腹部に細長い棒のような物が生えた。
え……?
何、あれ?
あり得ないものを目にした弥生は動きを止めた。
しかし、それが命取りになった。
「あぐっ!!」
弥生の下腹部に激痛が走った。
恐る恐る、下を見る。
そこには、伴太と同じ、細長い棒が生えてーーーいや、突き刺さっていた。
「な、に……こ……れ……」
震える手で棒に触れた瞬間、風を切る音がした。
それと同時に左太腿にまた棒が突き刺さった。
「ぎゃ!!」
二度もくる激痛に、弥生は耐え切れず、地面に倒れた。
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