27:唯野 ◆xM1rhmOJvo[saga]
2014/04/21(月) 19:29:54.54 ID:DHzXarPJ0
私が物思い耽っていると、目の前の彼女は剣を既にこちらへ向けていた。
「さあ、行くわよ…! 貴女の実力、それを上回って今日の試合に勝つ…!」
実は私は彼女に正体を明かしていない。
私がこの村に来た当初、準決勝の日までどうしようかと困っていた時、彼女は私に声を掛けてくれた。
私が実は人間だという事には気付いたみたいだけれど、別にそれだけで差別するわけでも無く、それ以上深くは聞いて来なかった。
しかし、私が『魔力』を宿している事には気付いたようで、それからというもの、鍛練に付き合わされている。
「はぁ…。今日は少し手加減出来ませんよ…? 寝起きは魔力の抑えが利かなくて…。」
私がそう言うと、彼女は不適に笑ってみせて
「むしろ私相手にどうして手加減をするのかしら…? 練習の時の私とは、違うわよ」
「そうですか…。では遠慮無く──」
「──極大閃熱呪文《ベギラゴン》ーッ!」
私の半径16mは紅蓮の炎の竜に包まれた。
高熱を含むそれは、術者以外を焼き尽くし消失させる…。
我ながら物凄い一撃をいきなり出してしまったと悔やみ、目の前に注意を向けていると──
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