16: ◆yufVJNsZ3s
2014/04/17(木) 22:22:14.64 ID:iWvh8kZB0
体操服はそこでようやく、胸を押さえました。「ぐ」と短く小さな呻き声を上げて、そのまま膝から頽れます。
少女「足、止まってますよ」
体操服「な、まさか、そん、な」
そうして体を投げ出すように倒れこんで、息絶えました。
私の能力――『有言実行』
相手に、言ったことを実行させる。
感覚でわかりました。これが私の生き様なのです。つまるところは。
ムム「お疲れ様」
ぬいぐるみが、今までどこにいたのか、上空から颯爽と降り立ちました。表情の起伏の少ないそのふちゃっとした素材が、けれどどこかニヤニヤしているように見えて、ほんのちょっとだけ、家の破壊に巻き込まれて[ピーーー]ばよかったのに、と思いました。
ムム「残り九人だね」
少女「やばいくらい痛いんですけど」
ムム「しょうがないよ、殺し合いなんだから」
少女「この体操服、頭おかしかったです」
ムム「そりゃ殺し合いに乗るんだからね。大なり小なり頭がおかしいに決まってるさ」
少女「つまり、あと八人も頭のおかしい人が出てくるわけですか」
もしかして真っ当なのは私だけなんじゃ?
少女「というか、私の怪我と、私んち、どうしてくれるんですか」
やせ我慢にも限界があるんですが。
ムム「それについては、ま、一晩でなおしておくよ。騒ぎが大きくなって困るのはボクたちもだからね」
ムム「とりあえず、お疲れ様」
労いの気持ちがどこまでも空虚な言葉を吐いて、ぬいぐるみは姿を消しました。
235Res/273.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。