174: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/22(火) 14:01:00.32 ID:BKn3hKU/0
攻撃をお兄ちゃんはすんでのところで掻い潜った。こっちまで空振りの音が聞こえてきそうなほどの轟音をだ。さすが。
もちろん花園だってぼけっとしてたわけじゃない。一度警察沙汰になってからは控えてた包丁を、この段になってようやく懐から取り出した。ぐ、と柄に力を籠めれば懐かしの感触がよみがえってくる。
お兄ちゃんと木刀男が戦っている隙に素早く背後へ回りこむ。詰襟だから首筋がむき出しになってないのが残念だったけど、なんてことはない。包丁は切るものじゃなくて突き刺すものだから。
妹「死ねぇっ!」
突き出した包丁は空を切り裂いた。え、と思うと同時に、翻った詰襟が視界を一杯に覆い隠して、鼻っ柱に肘鉄が入る。
顔面の中心部で何かが潰れた音がした。
会長「花園に手ェだすんじゃあねぇっ!」
お兄ちゃんが手を伸ばしてくる。当然花園はその手を取る。
瞬間、変化。体は欠けても刃は残っている。お兄ちゃんに仇なすもの全てを切り裂いて、花園とお兄ちゃんのエルドラドを形作るのだ!
愛だ、愛だ、愛だ!
これが愛の力だ!
愛の力の真髄を思い知れ!
振り回す刃をけれど木刀は根こそぎ掻っ攫っていく。文字通り身を切り裂かれる痛みに苛まれるけど、脂汗がだらだら流れるけど、でも、負けない。負けるわけにはいかない。
花園の刃は物体を切断する以上に消失させる。木刀だってそのはずなのに、なのに。
「なのに、なんで立場が逆なのよぉっ!」
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