41: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/17(木) 23:16:27.40 ID:iWvh8kZB0
黒マント「……どうだ?」
蓋に乗ったまま空を飛んでどれくらいがたっただろう。撒こうと蛇行してきたから、直線距離ではそれほど遠くまで来ていないと思う。それでも五分くらいは能力を使いっぱなしだ。流石に眼も、疲れた……。
私はとあるビルの屋上に着地した。能力を解除して蓋を地面に落とす。重心を預けていたものだから、そのまま尻もちをついてしまった。
だいぶ疲れている。眼精疲労だけじゃなくて、全身に気怠さが感じられた。
頭が痛い。
黒マント「ちょっと、酷使しすぎた、かな」
この頭痛が敵の攻撃だとは思えなかった。
とりあえずここでしばらく休もう。そうしたら家へ帰るしかない。閉じこもるのは趣味ではないし、負けた気がして癪だが、相手の姿がわからない以上打って出るのは愚策だろう。
漫画とかラノベだったら、もっと軽々追っ手を撒いて、逆に敵の背後をとったりもできるんだろう。憧れていたその世界に入門こそしたけれど、境地には遠い。
二次元の世界はいい。憂世を忘れさせてくれる。嫌な親、教師、クラスメイト。あんな邪悪な存在は物語の世界には存在しない。
これはきっと可哀そうな私へ神様がくれたプレゼントなのだ。そして、優秀な私は全人類を統べる権利があるというメッセージで。
包丁を確認する。どさくさの中でもちゃんと持ってきていた。偉いぞ私、と自分を鼓舞する。
その数四本。少し心許ないが、まぁしょうがない。能力で持ち運ぶのにも限界がある。
黒マント「そろそろ、限界、かな」
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