過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
1- 20
42: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/17(木) 23:17:35.53 ID:iWvh8kZB0

 指が二本消えてしまったことのショック、そして体のバランスの喪失は著しい。ぐちゃぐちゃになった肉と骨が付け根にぶら下がっていて、正直見ていられないくらいだ。

 痛い、痛い、痛い。気を抜いたらまた涙が出てくる。深く呼吸をして、落ち着けなければ。

 カラーコンタクトを外す。ずれてしまって視界がおかしい。折角ネット通販で買ったブレザーも、マントも、ごみのにおいがついてしまった。洗ってとれるだろうか。

 私の大好きな能力バトルの漫画。主人公は銀髪赤眼の闇剣士、ブリュンヒルデ・ノワール。能力名にもなっているそれだ。
 日本刀を武器にする彼女と同じ能力にはならなかったけど、こんな漫画みたいな展開を私は望んでたんだ。しかも願い事をかなえてくれるおまけつきなんて、大盤振る舞いもいいところじゃない?

 疲れもだいぶ取れてきた。立ち上がって、スカートについた砂埃を払った。屋上はやっぱり静かで、私の心を落ち着かせてくれる。

黒マント「万事問題はない。『黒光纏いて優雅に踊れ』は無敵だ」

黒マント「誰だって黙らせてくれるわ。そして我が勝ち残る」

黒マント「すべての人類に、眼に物見せてくれようぞ」

 居丈高にそう宣言する。唯一それだけが心の支えだから。

 炸裂音。

黒マント「――が、ぐぅ、っあ!?」

 衝撃で体が持ってかれる。後ろから前に貫かれる形で、左肩が爆ぜた。
 視界がちかちかする。

 どこへ行ったよ! 私の左肩!
 なんで、こんな、痛いなんて……!
 体の一部が欠けてしまうだけでこんな痛いだなんて、誰も教えちゃくれなかった!



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
235Res/273.82 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice