67: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/18(金) 00:53:50.44 ID:9NO0r5n60
後輩「ね、先輩、先輩? 先輩!」
後輩があたしの手を引く。
邪魔だ、やめろ。早くあんたはどっかに行け。お願いだから。巻き添えになるから。そんなの嫌だから。
思っていても、口からは出ない。意識は全て彩人の一挙手一投足に向けられている。
後輩「早くいきましょうよぅ! この人、なんかおかしいですっ!」
彩人「『今日は頑張って遠出してみましょう! 思わぬ出会いが待っているかも!』」
後輩「せんぱいぃっ!」
彩人「ほうら、やっぱり!」
彩人は叫んだ。
彩人「私ってばツイてる!」
ブレーキ音が耳を劈く。
車が、自家用車が、黒く塗装された鉄の塊が、
こっち目がけて!
突っ込んでくる!
腕章「くそっ!」
腕章「天網恢恢疎にして漏らさず!」
腕章「今、この状況で、あたしが最も無事な路を示せ!」
能力を発動。視界が僅かに暗転し、突如として視界の中に光が迸った。それは光の路となって、あたしがこれからどう逃げればいいのか、その経路を指し示す。
微かに速度の遅れた世界の中で、あたしは必死に、その光を辿っていく。一歩、二歩、三歩。確実に地面を踏みしめて。
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