15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/23(水) 18:35:25.48 ID:KjY5e/6Q0
「かばみ蜉蝣、そう呼ばれる怪異だ。
漢字で書くと過食蜉蝣、と書くらしい。
地域によっては尸と書いてかばね蜉蝣なんて呼んだりするそうだ」
「蜉蝣って……あの、一日で死んじゃうって言われているあれですか?」
節足動物門・昆虫綱・カゲロウ目の昆虫。
一般的に最も短命な昆虫として有名なウスバカゲロウは、一日の成虫期間で死亡する、と言われている。
実際はもう少し長生きらしいが、それでも数日で死ぬことには変わりがない。
「かばみ蜉蝣は一日で宿主の命を奪うなんてことはない。ただ、短命な彼らには共通点がある」
彼らには、摂食機能というものが無い。
それは、言ってしまえば生物として破綻している。
何せ成虫という大人へ進化する過程で、生きるための機能を削ぎ落としているのだ。
蜉蝣が何故、幼虫期間にあった摂食機能を一切失くすのかは、未だに解明されていない。
鳥類などが長期飛行に至って身体を軽くするために食べない、という選択肢があるのはわかるが、摂食機能そのものを失くす理由が不合理すぎて理解が及ばないのだ。
「かばみ蜉蝣は資料が少なくてあまりわからなくてな……とりあえず、憑かれた者は三日間はものが自分で食べられなくなって、三日経てば自然消滅する、ということしかわからなかった」
「自分で、ですか」
「はい、食べようとしても食べられないのです」
「それは……辛いだろうね、特に貴音さんは」
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