過去ログ - 阿良々木暦「たかねデイフライ」
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/23(水) 19:05:31.07 ID:KjY5e/6Q0

ひたぎの対面に座っていた筈の二人が見当たらない。
何処かに出て行ったなら気付く筈だけど……。

「さっきまでいたよ? トイレじゃないの?」

二人で一つしかないトイレに行くかよ。

「ねえ、暦」

「ん?」

「銀髪の彼女――四条さん。
 彼女、怪異に取り憑かれているのよね?」

「あ、あぁ。ものが自分で食べられなくなる、ってだけなんだけど」

「さっき聞いてふと思ったのだけれど、それ、ひょっとしたら『食べられない』のではなくて、『食べてはいけない』のではないかしら」

「――――え?」

「いえね、ついさっきから気になっていたのだけれど、雰囲気があの時とそっくりなのよ」

あの時……?

ひたぎとの想い出を模索する。
正直言って心当たりがありすぎてすぐには特定出来なかった。
が、次の瞬間、僕はそれを嫌でも思い知らされる事になるのだった。

「『蟹に行き遭った時に』」



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