18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/25(金) 21:22:24.35 ID:6I5S2gV60
「その点水瀬のお姉ちゃんはすごいよね、怪異に能力を冒されて、なおそのコンプレックスに打ち勝って今があるんだから」
僕の知る水瀬は、その態度と性格に反して弛まなき努力家だ。
あの自信に裏打ちされているのは、間違いなく自分に課してきた努力の賜物だ。
誰よりも努力し、誰よりも自己研磨を続けて来たという結果があるからこそ、あれ程までに自分を信用することができる。
これは簡単に見えて中々に出来ることではない。
世の中、自分に絶対の自信を持つ人間など、過大自己評価か超大物のどちらかだろう。
水瀬はまだ若いためかそこまで露見していないものの、僕は間違いなく後者だと思う。
その証拠に今も竜宮小町のリーダーとして、アイドルの先駆者として頭角を現し始めている。
それを聞いて、改めて水瀬の凄さを認識した。
怪異に劣等感を与えられてなお、彼女は負けなかったのだから。
これは余談になるが、獅子は元々ライオンを指すものではない。
獅子とは、元々中国由来の神様を指す。
その点では神と獅子を結び付けるのもわかる。
日本では歌舞伎演目に獅子を使って舞うものもあり、その過程でライオンと獅子を混同してしまったらしい。
そもそも、日本由来の怪異にライオンがいる筈もない。ライオンは日本にはいないからだ。
明確に言えば国際化の進んだ今は動物園に行けばいるが、怪異というものは大抵、巷説や信仰から産まれることが多い。
その場合、必然的に定着するまでに時間が必要となる。
となると、この国においては『若い怪異』ということか。
「そして谷に落とされ、なお登ってきた個体に、篝獅子は『ご褒美』を与える」
「ご褒美……?」
「文字通り、『神の力を借りることができる』んだよ、鬼のお兄ちゃん」
珍しく饒舌な斧乃木ちゃんがそう締め括った瞬間、
「『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』――――遺憾版」
僕は轟音と共に巻き起こる衝撃波を全身に浴びるのだった。
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