19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/04/25(金) 21:31:33.66 ID:6I5S2gV60
004
「んなっ……!?」
振り返ると、雨霰と飛び散るコンクリートの中、鉄骨を剥き出しにしたコンクリートの柱を脇に抱える水瀬がいた。
水瀬の身長を遥かに越える、数百キロはあるであろうそれを、水瀬は横薙ぎにぶん回したらしい。
視界の端には、『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』によって肥大化した斧乃木ちゃんの腕が僕を覆うように在った。
僕を護ってくれたらしい。
ん……?
ちょっと待て、遺憾ってどういうことだよ!
「水瀬っ!!」
「うぅ……ぐ……おおおああぁっ!!」
「……おい、冗談だろ?」
獣のような唸り声を上げ、水瀬は近くにある重機――一般的にはショベルカーと呼ばれるそれを運転し、日頃の恨みつらみを晴らさんと僕を轢き殺そうと襲い掛かる――程度ならばまだ良かったのだが、あろうことか水瀬は両手で軽々と持ち上げる。
ただでさえ人間の手で持ち上げるなんて困難な、先程の柱よりも更に桁が違う重量物を、水瀬はいとも簡単に僕に向け投擲した。
「う、うわあああぁぁぁっ!?」
冗談じゃない、あんなものに潰されたら幾ら死ににくい身体とは言えひとたまりもない。
僕はなりふり構わずそれを避けるために全力疾走すると、身近なコンテナの影に隠れる。
大規模地震と何ら遜色のない、とてつもない衝撃と共に重機は倉庫内のあちこちを破壊する。
ほうぼうの形で逃げ出した先に、斧乃木ちゃんがいた。
「何をしてるんだい、鬼のお兄ちゃん。逃げ回っていても何も解決しないよ」
「無茶言うな! こっちは状況もよくわかってないんだ!」
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