過去ログ - 塩見周子は揺るがない
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2014/04/26(土) 01:53:30.99 ID:6dIc+vFA0
「お待たせいたしました。こちらとんかつ定食になります。こちらミートドリアとシーザーサラダになります。ご注文は以上でよろしいですか?」

店員がやってきて手慣れた手つき次々と料理を置いていく。よくそんなに多くのものを持ってバランスが取れるものだと思わず感心してしまう。一つもまともに持つことができそうもない俺には到底無理なものだ、と去っていく店員の後姿をぼんやりと眺めていた。

「あ痛っ!」

ぼんやりと店員の後姿を眺めていた俺の額に、痛みが走る。前を向けば、彼女が不機嫌そうな顔をして、手をこちらに伸ばしていた。どうやら先ほどの仕返しをされたようだ。

「アイドルの目の前でほかの女の子に目移りしちゃうんだー。へー。あの子もスカウトしちゃうのかなー?」

「い、いや、そうじゃなくてだな・・・。」

「言い訳は聞きたくありませーん。」

「うぐ・・・すまん。お詫びになんか好きなデザート頼んでいいから。」

「Pさんさっすがー!男前―!」

言質を取った彼女は、すぐさま店員を呼び、このストロベリーパフェ一つ、と頼んでいた。

「でもほんとPさん、アタシだからいいけど、ほかの女の子の前でそんなことしたらそっぽ向かれちゃうよー?」

別にいいんだけどな、と呟いたが、どうやら彼女には聞き取れなかったらしく、首をかしげて頭に?マークを浮かべていた。

「なんでもないよ。どうせそんな相手もいないしな。」

そういうと彼女は、頬杖をついてそっぽを向いた。口元が微かに動いたような気がしたが、気にしないことにした。

「冷めないうちに食べるぞ。後でパフェも来るんだからな?」

「はいはーい。」

そういうと、ミートドリアに手を付け始める。同じように、こっちも箸をつけることにした。店内は静かで、会話がなくなったことを嫌に実感させられた。



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