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2014/04/26(土) 02:00:55.98 ID:6dIc+vFA0
「ご馳走様でした。」
パフェを食べ終えご満悦の表情をしている彼女に、プロデューサーとして話題にすべきであろうイベントの話を切り出す。
「総選挙、発表明日だな。」
「うーん、そうだね。どう?Pさんはそのへん。」
「中間はいい位置につけてたからな。十分可能性はあると思う。」
そう、中間発表の時点では前回の19位よりもいい位置にいたのである。発表の当時は仕事だったため、俺一人で見ることになったが、13位の掲示を見た後はもちろんすぐに彼女に連絡した。その時の対応は存外素っ気ないもので、ひどく冷静だったのを覚えている。
「13位だっけー?でも、今回ニュージェネレーションが強いしどうかなー?」
「弱気になってどうする。大丈夫さ。」
「めざせトップ10入り!かなー。」
控えめに目標を掲げる彼女。目指せシンデレラガール!と言っても問題ではない位置につけているのだが。
「いや、シンデレラガールになりたくないわけじゃないんだよ?でもさ、こっちにもちょっと色々と事情があってね?」
そんな表情が表に出てしまっていたのか、彼女が言葉を続ける。
「まだ踏ん切りがつかないっていうか、自分でも臆病だなーって思うんだけどさ。」
そういうと頭を掻いてうーんと唸る。
「大丈夫だって。お前はシンデレラガールになる資格がちゃんとあるさ。」
しばらく黙っていた彼女だったが、すっと顔を上げた。
「うん、そうだね。よし、決めた!しゅーこちゃん、一位目指しちゃおー!」
そうと決まったら善は急げだ、と言わんばかりに席を立って店を後にしようとする。
「待て待て、会計すんでないから。ほれ鍵。先に車に入っとけ。」
そういうと彼女に鍵を渡して、会計を済ませる。明日は総選挙の結果発表。今日までの一年間の総決算とも言える重要な日だ。ふと時計を見ると、シンデレラの魔法が解ける時間だった。
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