過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」 2
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2014/05/01(木) 03:05:01.39 ID:wiguRyO8o
「重要なのはテメェが俺達を地面に突き落とした事。それと、ここから先も邪魔するのかどうかだ。
今すぐどっかに消えるなら、俺の寛大過ぎる心で何もなかった事にしてやる。まだ邪魔するってんなら潰す。選べよ」
「悪いが、今すぐ消えてやる事はできないな」
直後だった。
何の躊躇いもなく、手加減もなく。
垣根は目にも留まらぬ速さで、その純白の翼で空間を薙ぎ払った。
天使を巻き込んだ事を確認する前に、上条の視界は土煙で、聴覚は爆音に支配された。
「私からも君に選択肢を与えよう」
その声はやはり静かで、平坦だった。
話を遮られたとも思っておらず、ただただ単調に続ける。
垣根は追撃を加えなかった。
土煙が晴れるのを大人しく待ち、それでいて瞳には強い警戒の色を宿している。
相手の異質さに対し、まずは話を聞いて情報を収集しようと考えたのだろう。
土煙が晴れると、そこには変わらない姿で天使がいた。
傷一つなく、それが当たり前の事であるかのような印象を抱かせる。
「垣根帝督、君がこれ以上この件に関わらないというのであれば、私は君の要求を飲んで大人しく消えよう。
だが、あくまでそこの幻想殺し(イマジンブレイカー)に手を貸すというのであれば、私達は戦う事になるだろう」
「…………」
「あぁ、安心していい。戦闘になった場合でも、手加減はするから死ぬことはないさ。ここで君を絶命させたところで、私が楽しめるわけでもないからね。
ただ、それでも無傷というわけにはいかないだろう。もしかしたら死の一歩手前までいくかもしれない。いつかの一方通行のように」
「おい垣根、こいつが本当に天使なら俺の右手で、もしかしたら――」
「先に行け上条」
上条の言葉を、垣根は遮った。
短く、簡潔な言葉であっさりと。
まるで、少し寄り道をしていくかのような気軽さで。
対して上条は一瞬面食らってしまうが、ゆっくりと確認する。
「……勝算があんのか?」
「さあな。だいたい、俺にはコイツが何なのかってところから分かんねえ。やってみねえと何とも言えねえよ」
「けどコイツ……簡単にはいきそうにねえぞ。だから俺も」
「上条、お前の目的はなんだ。この天使まがいを倒す事か?」
「それは……」
「お前はこんなとこで油売ってる場合じゃねえだろ。それに、俺個人的にもコイツには用がある」
「用?」
上条が首を傾げると、垣根は天使に向かって尋ねる。
「おい、さっき一方通行がどうとかって言ったよな。アイツとも戦った事があるってことか」
「第三次世界大戦の時期に一度、ね」
「勝敗は」
「彼はよくやったよ。だが、あと一歩及ばなかった」
「それだけ分かれば、テメェをここでぶっ倒す理由には十分だ」
垣根のその言葉を聞いて、何やら嬉しそうな表情を見て、上条は理解した。
別に、これは垣根が一方通行の敵討ちをするつもりだというわけではない。
あの一方通行が勝てなかった相手。
それを倒すことで、間接的にとはいえ垣根は彼よりも高い評価を受ける事ができる。
むしろこの場合、上条が共に戦って足を引っ張ったり力を貸してしまう事の方が、垣根にとっては不都合なのだろう。
一対一で戦い、勝ってこそ価値がある。
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