過去ログ - 【モバマス】「きみがいたから」【結城晴】
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[saga]
2014/05/03(土) 21:12:34.73 ID:3dnvgWSh0
……なあ、雪美。
オレたち、もう一年、早く出会えてたら良かったって、そう思わねぇか?
そしたら、お前が苦しんでた時、いくらでも助けになってやれたのにさ。
まあ、今さら、そんなこと言ったって仕方ねぇんだけど……。
だからさ。
残された時間で、オレはこいつに何をしてやれるかなって。
最近、そんなことばかり、考えてたよ。
「お前さ、友だち、つくれよ」
雪美の顔から、表情が消えて。
ゆっくり、静かに、首を横に振った。
「……友だち……もう……いる……」
「学校で、オレ以外にだよ。いねぇだろ?」
「……晴が……いれば……それでいい……から」
すがるような目をして、オレを見てきた。
「オレはさ、春には学校を卒業するんだ。分かるだろ?」
ぶんぶんって首を横に振られる。
こういう時の雪美は、ほんとう、頑固だ。
「オレもさ、友だちづくり、頑張ってみるよ。雪美ひとりにだけ、頑張らせはしねぇからさ。偉そうなこと言って、オレもクラスでまともに話せるやつなんていねぇんだ」
それでも、雪美は首を振って。
涙に濡れた目が、オレを見上げたよ。
「……そんなこと……しなくて……いい。……私……悪い子でも……分からずやでも……いい……。だから……晴……どこにも……行かないで……」
胸がすげぇ痛くて、唇を思いっきり噛んじまった。
けど、かつて雪美が感じた胸の痛みは、こんなもんじゃ、なかっただろうな。
オレが何も言えずにいると、雪美の瞳から、ひときわ大粒の涙がこぼれ落ちて。
耐えられなくなったみたいに、走って、オレの前から去っていった。
これで良かったんだっていう思いと、なにかを決定的に間違えたっていう思いとが、頭の中で混ぜこぜのぐちゃぐちゃになる。
「泣かせちまった……」
雪美が置き去りにしたボールを見つめたまま、オレは一歩だって動けない。
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