15: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:05:49.25 ID:j9WrMxpn0
  
 この日もプロデューサーの指示通りいつものように駆け出した。 
 客席は沸いたが普段よりも盛り上がりが足りない。 
 よく見ると観客の視線は、渋谷凛に向いていた。 
  
16: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:06:17.87 ID:j9WrMxpn0
  
 P「お疲れ伊織」 
  
 労いの言葉にもどこかいつもの勢いが感じられない。 
  
17: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:06:53.04 ID:j9WrMxpn0
  
 早々と着替えを済まして控え室を出ると、プロデューサーが関係者と思しき人物と話をしていた。 
  
 モバP「今日はありがとうございました」 
  
18: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:07:18.40 ID:j9WrMxpn0
  
 営業スマイルもすっかり身についてしまった。 
 相手方と話していると別の控え室の扉が開いた、中から出てきたのは制服姿のは渋谷凛。 
  
 凛「プロデューサー、着替え終わったよ」 
19: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:08:27.49 ID:j9WrMxpn0
  
 渋谷凛が頭を上げた時に目が合ってしまった。 
  
 凛「えっと、今日の相手の水瀬さん、だよね?」 
  
20: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:09:25.95 ID:j9WrMxpn0
  
  
 P「……今日は残念だったな」 
  
 帰りの車内、重苦しい空気をプロデューサーの一言が破った。 
21: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:09:52.04 ID:j9WrMxpn0
  
 P「なぁに、たったの一度負けただけだ。それに負けるのは散々経験してきただろ?」 
  
 デビューしたての頃はオーディションにも中々受からず、フェスにも負けてばかりだったわ。 
 その度にコイツが励ましてくれていたのを思い出す。 
22: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:10:29.21 ID:j9WrMxpn0
  
  
  
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
  
23: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:10:57.23 ID:j9WrMxpn0
  
 あの日から幾日が経過して、今私は事務所のソファーに座っている。 
 午後からのレッスンの為に。 
  
 負けた翌日、紙面を賑わせたのは渋谷凛だった。 
24: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:11:32.32 ID:j9WrMxpn0
  
 P「伊織〜、レッスン行くぞ〜」 
  
 伊織「えぇ」 
  
25: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/05(月) 23:12:33.12 ID:j9WrMxpn0
  
 伊織「なって……。それ、本当なの?」 
  
 P「おぅ、この前の負けからほとぼりが冷めるまでな」 
  
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