過去ログ - エルフ「譚奇フルエ、代時正大…?」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/10(土) 09:46:25.03 ID:a2iIJCdr0
善意を向けられると、無性に胸がモヤモヤとする。恋だ愛だとは言わないが、気分の悪いものではない。最初の内は。
暫くすれば、それは胸の痞(つか)えのようになって、次第に息苦しさに体が潰れてしまいそうになる。
だから逃げる。親も友人も捨てて、恩人まで騙して、少女はここまでやってきた。
しかし、だ
エルフ「……流石にか、もう、疲れたな」
「…おい、貴様」
不意に、彼女のそばで人の声がした。
憐憫の情にかまけて、周りへの注意を怠っていた。
人影は三つ、全て男性のようだがどれも彼ではない。
格好からしていわゆる浮浪人であることが見て取れた。
エルフ「……こんな時に、ルンペンどもか」
浮浪「はぁ?何か言ったか?小童」
エルフ「……」
彼女は、こういう相手にはどんな言葉も通じないことを知っていた。
彼らのような者は、大抵酒代をゆするか、寝床を奪うしか能がない。
しかし、聞く耳を持たないという点では、ある意味で恐ろしく厄介であった。
エルフ「……ちっ」
逃げ込む先を探すように、エルフは周囲を見渡して、灯りを探した。
しかし、この時分では電灯一つ、火の気どころか油の匂いもしない。
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