過去ログ - エルフ「譚奇フルエ、代時正大…?」
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/10(土) 11:21:59.58 ID:XkVG6oxi0
少女が揺れに目を覚ますと、見覚えのある背中に負われていた。
エルフ「……なんだ、私はまたどこかへと売られるのか?」
意識はまだ朦朧として、口からはそんな言葉しかまだ出てこなかった。
男「起きてすぐそれか、全くお前は…苦労してるな」
エルフ「なっ!」
男「こういう時は普通、親の背に負われた夢でも見るものだぞ…ふぁ」
少女を背負った男は、欠伸交じりにそう呆れて言った。
ここでようやく、エルフの方も合点がいった。
エルフ「お、降ろせ!私は、私は…」
男「…いいから」
男は、さっきの勢いが嘘のように、出来るだけ優しくそう言った。
男「俺はな、何もかも構わん…だから気にするな」
エルフ「そんな、何をばかなこと言って、私はお前を裏切ったんだぞ、着物まで…こんなに汚して」
男「…それももうお前の物だ、やるよ」
エルフ「……ぐ、う」
彼女は言葉に困った。
こんなに強く感じるのは久し振りだった。息が詰まり、胸を締め付けられるような感じがする、
誰かから優しさを向けられる感覚は。
本当にいつ振りなのだろうか。
男「家にも居ていいから、今度みたいに逃げるんじゃないぞ…」
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