過去ログ - エルフ「譚奇フルエ、代時正大…?」
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34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/10(土) 11:46:53.50 ID:rIKDjfQq0
エルフ「……やめてくれ、私は…甘えたくなんて、ない」
男「ん?」
苦労して、それだけの言葉がようやく絞り出された。
エルフ「……甘えるのは、嫌だ…縋るのなんでまっぴらだ」
その涙まじりの声の切実さから、彼女が辿ってきた道すじの一端が、男にも垣間見えた。
しかし、彼女の小さな体がこれまでどれだけの悪意に晒されてきたのか、他人から窺い知ることは不可能だろう。
男「そうは言うがな、俺はお前さんを養うつもりなぞ毛頭ないぞ」
エルフ「……え?」
男「俺は、得になると思ったからお前をあの商人から買ったまでのこと、もう忘れたのか?」
エルフ「…それは、そうだったけれど」
そこで彼は、彼なりの経験則から
こういうときにかけるべき言葉を探した。
結果として、いまはこのような打算的な言葉をかける方がいいと判断したのだった。
男「だったら、言葉通り役に立って見せろ、そうしたらあの家に住まわせてやる」
エルフ「………な、あ」
無償の愛もまた、時には人の首を締めるのだということを彼は知っていたからだ。
エルフ「か、金は返しただろう…!」
男「あんな出処の知れぬ金は受け取らん、明日にでもどこぞへ返しに行くつもりだ」
エルフ「……ぐぬ、ぬぬぬ」
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