過去ログ - エルフ「譚奇フルエ、代時正大…?」
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46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/11(日) 02:38:00.98 ID:eFAHYDcV0
その借家の家屋の裏手には、僅かばかりの庭があって、
実は男はそこで、まあ足しにもならない程度の芋を育てていたのでした。
痩せた土地に似合いの痩せた芋を
エルフ「ふぁあ、まったく世間は寒くなる一方で、うらさびしいものだな…」
寒々しい陽光を求めて、エルフの少女が縁側に這い出てきて、ねそべった。
来て最早一月ともなると勝手知ったるといったところなのだろう。
男「こら!お前はまた怠けてばかりいないで、少しは手伝ったらどうなのだ」
家の主である彼が必死に硬い土を掘って芋を引っ張り出そうとしているというのに、少女は知らぬ存ぜぬの顔して
他人の雑誌を勝手に読みふけっている始末であった。
エルフ「あいや暫し待たれい、それがし未だこの『鞍馬天狗』を読み終えておらぬ次第でしてな…」
男「その言い訳はもう使い古しだぞ、いい加減にせんか」
男は手に持った鍬を放ってから、少女から雑誌を取り上げた。
エルフ「ぬぁ、まだ読んでるのは本当なのに…」
男「やかましい!働かん奴に食わせる飯はないんだぞ」
この叱責の言葉も、実はもう使い古しであった。
エルフ「もう、なんだかんだ言って食べさせてくれるくせに、そんなに私に惚れたのか?」
男「いや、正直いまの食物の蓄えがほとんど無いようなものなんでな最悪飢えることになるかもしれん」
エルフ「なっ、なにぃ?!」
男の突然の告白に、少女はなすすべなく、ただ呆れるばかりなのでした。
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