23: ◆hSU3iHKACOC4[saga ]
2014/05/09(金) 13:23:57.05 ID:zyFBEZ370
食堂に人は少なかった。
注文を入れるとすぐにお目当てのものが用意された。
普段より五分くらいは早かった。
広々とした食堂で、昼ごはんを食べていると、女子生徒たちの会話が聞こえてきた。
「スマホにさアブリをいれるわけよ。
そうするとクピドが好きな人と自分を引き合わせてくれんの」
と切り出す
「おまじないじゃん。
高校生にもなってさぁ」
といって切り返し、
「これが効くんだよ。
私も結んでもらったんだ。
試してみたらいいよ。
無料だし」
とさらに切り返す、
「まあ、そこまでいうなら試してみるよ。これかな」
といって携帯電話を操作する。そうして
「なんか変な契約書みたいなのが出てきたけど、大丈夫なのこれ。
面倒なのはごめんだわよ」
というと
「ああ、契約者は契約相手を傷つけないってやつでしょう。
問題ないよ。
みんな何もなかったし。
私も何もなかった。
せっかく結ぶんだから仲良くやれってことでしょ、たぶん」
というと相手側の女子生徒は、
「たぶんってあんた。
まあ、そうだろうね。
傷つけたらだめだわね」
といって、アブリを携帯電話にインストールしていた。
「お、なんか男前のスタンプゲット。なにこれ?」
というと、おまじないを進めた女子生徒が言う。
「その人が結び付けてくれるのよ。
拝んどきなさい、ありがたいらしいから」
「ありがたいのか」
すると女子生徒たちは軽く目をつぶりムニャムニャと拝んでいた。
珍妙な光景である。
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