10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/09(金) 20:09:56.09 ID:OHJpcaUT0
「どうした、萩は……」
「やりますっ!!」
「うお!?」
「やります! やらせてください!」
「お、落ち着け萩原!」
「やらせてください! やらせてください!」
「やめろ! そのフレーズを連呼するな!」
まるで僕が萩原に強制させている変質者みたいじゃないか!!
何をとはさすがに言わないけれど!
漫画を胸に抱いて目をキラキラさせ、鼻息も荒く迫ってくる萩原。
普段の消極的な態度からは考えられない程のアグレッシブさだ。
「私、この漫画の大ファンなんです! ですから是非!」
「そ、そうか……ん?」
ふと萩原の持つ本の背表紙が視界に入る。
タイトルの下、作者の名前が記される箇所に書かれた名前は、
「せ、千石……?」
僕の見間違いでなければ、『千石撫子』と、そう印字されていたのである。
「ご存知なんですか!?」
「い、いやご存知も何も」
同姓同名でなければ『あの』千石なのだろうか。
しかし千石なんて苗字はまだしも、撫子なんて名前は往々にして珍しいのではないだろうか。
「…………」
僕は無言で携帯を取り出すと、履歴から発信する。
相手は今日の朝、電話してきた我が愚妹だ。
数コールの後、果たして月火ちゃんは出た。
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