過去ログ - 阿良々木暦「ゆきほエンジェル」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/09(金) 20:40:40.13 ID:OHJpcaUT0

「で、どうした萩原。こんな朝早く」

「ちょっと、見てもらいたいものがあるんですけど……」

「なんだ?」

「こっち、来てもらえますか?」

述懐した通り、萩原は男性が苦手だ。
その程度たるや、恐怖症の一歩手前と言ってもいいくらいだ。
今でも知らない男性相手には僕の背に隠れたりで、会話をすることすら覚束ない。
僕だって萩原とまともに面と向かって話が出来るようになるまで数カ月を要した。
初対面でいきなり穴を掘って逃げられたあの頃が懐かしいなあ。
何を隠そう僕が765プロにきて最初に命じられた仕事は萩原が事務所に掘った穴を埋めることだったのだ。

そんな萩原が僕と二人きりで話したいと言う。
確かに多数のコミュニケーションの末、多少は心を開いてくれたと思われる萩原だが、さすがに二人きりになったことはほとんどない。
仕事の送り迎えで使用する車内くらいではなかろうか。

僕は怪訝に思いながらも萩原の後を着いていく。
辿り着いた先は倉庫。
とはいえ倉庫とは名ばかりでアイドル達(というか主に音無さん)の私物置きと化している。
一見しただけで衣装やらゲーム機やら段ボールの束やらフィギュアやら薄い本やらと節操もなくあらゆるものが並んでいた。

「すいません、お仕事中なのに」

「いいよ、まだ就業前だし気にするな。それで、話ってなんだ?」

「はい……プロデューサー……」

なんと萩原はその場で上着を脱いだのだった。
萩原の薄紅色の肌が僕の視線を奪う。

「は、萩原!?」

「……」

萩原は顔を紅潮させながらも次々と服を脱いで行く。
肌色に染まってゆく僕の視界。

ちょっと待て、なんだこの展開は!?

もしかして僕は今ここで死ぬのか!?

「やめろ萩原! 僕はまだ死にたくない!!」

するり、と最後の一枚を剥ぎ取る萩原。
情けなくも目が離せない。
貞操を重んじるのであれば僕が見なければいいだけの話なのだが、男としてこの光景を目の前にして無視なんて出来るか!

ええい、許されるとは微塵も思わないけど先に謝っておきます!

ごめんなさいひたぎさん!

でも不可抗力なんです!



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