1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2014/05/09(金) 20:58:48.43 ID:SCFqxrX60
伊織×美希のSSとなっています。
多少の百合要素含みますので、苦手な方はご注意ください。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga ]
2014/05/09(金) 20:59:39.25 ID:SCFqxrX60
「伊織、どうだ綺麗だろう」
「ええ、お父様。澄み渡った空みたいですごく綺麗ね」
「気に入ったか!よし、また連れてきてやろう」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga ]
2014/05/09(金) 21:00:30.31 ID:SCFqxrX60
私はここではっと目を覚ます。
白い部屋に、大きな鏡台、そして大きな窓が一つ。
鏡に映し出された自分の姿を見て、今の状況を思い出す。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga ]
2014/05/09(金) 21:01:10.78 ID:SCFqxrX60
ふふっ、と自嘲気味に笑う。
無様なものね、水瀬伊織。
こんな風に弱い人間になってしまったのね。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga ]
2014/05/09(金) 21:02:09.42 ID:SCFqxrX60
2階の窓から差し込む日が部屋を暖めてくれるのに、私の体は冷え切っていた。
晴れの舞台なのに、私を見た親族は私が虚ろな目をしてるのに驚くだろうか。
・・・・・・少しは、同情してくれるかしら。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga ]
2014/05/09(金) 21:03:12.26 ID:SCFqxrX60
事の発端は、私が20歳になった日。
「・・・・・・お父様、それはどういうことかしら」
私はお父様の執務室で信じられない言葉を聞く。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:04:15.13 ID:SCFqxrX60
でも、それにしてもまだ早すぎる。
アイドルになって5年、やっとトップアイドルに手が届きそうな位置にいるのに・・・・・・!
「だからってまだ」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:05:15.62 ID:SCFqxrX60
でも、なんでなのかしら?
こんな早急に私に後を継がせようと?
意味がわからないわ。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:05:53.52 ID:SCFqxrX60
「お父様の卑怯者・・・・・・」
「卑怯だろうがなんだろうが、これは水瀬のためであり、伊織のためなのだよ」
「私のためですって・・・・・・?ふざけないでちょうだい!私なんかどうでもいいんでしょ!?」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:07:04.71 ID:SCFqxrX60
そんなことをぼんやり思い出しながら私は指先を虚空に舞わす。
水瀬財閥は日本でも有数な大きな組織。
それを維持するためには強固な経営形態と運営能力が必要とされる。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:07:56.30 ID:SCFqxrX60
実際、私の相手は超がつくエリートと言っていいらしい。
顔合わせの時も何回か電話で離籍した事があったけど、それも全てビジネスってことらしいわ。
仕事はできる、将来有望、顔も・・・・・・まぁ、アイツほどじゃないけどまぁまぁってところね。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:08:54.05 ID:SCFqxrX60
そう言えばちょっとだけ気になることが、1つだけ。
式が身内だけなのよね、後は765プロのみんなが参加する位かしら。
余計なマスコミは完全シャットアウト、実際報告は漏らさないように口止めされてたし。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:09:29.72 ID:SCFqxrX60
話はお見合い話が出る前に遡るわ。
私は美希と付き合ってた。
知ってるのは765のみんなくらいかしらね。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:10:15.55 ID:SCFqxrX60
「あーもう!なんなのなの!あのディレクターは!」
美希が事務所に入った瞬間、大きな声で爆発する。
「落ち着きなさいよ美希、あれは確かに酷いけど」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:11:04.15 ID:SCFqxrX60
事務所のソファーにぼすんと腰掛け、クッションを抱く美希。
そんな姿を見て少しふふっっと笑いながらお茶の用意を始める。
薬缶に水をはり、コンロに火をかける。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:12:15.50 ID:SCFqxrX60
「私は大丈夫だから、そこまで怒らなくても・・・・・・」
「伊織はミキのものなの!」
「うー、正面切って恥ずかしいこといってくれるわね・・・・・・。」
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:13:38.94 ID:SCFqxrX60
「でこちゃん、勝手に男の人と結婚しないでなの!」
「な、なにいきなり言い出すのよ」
「ほら、伊織のおうちって大きな会社でしょ?いつかそういうことがあるんじゃないかなって」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:14:23.10 ID:SCFqxrX60
うん・・・・・・?
「ふぅん?つまりアイツの変わりってわけ?」
この時のこの発言はうかつだったと思う、そんなわけないのに。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:15:05.34 ID:SCFqxrX60
これが美希と交わした最後の会話、それ以来美希とは会ってないの。
この日の夜、美希から別れようってメールがきたわ。
急いで電話かけたけれども、美希は電話に出なかった。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:15:46.77 ID:SCFqxrX60
このまま、美希と会えないままお別れなのかしら。
せめて、あの日のことを誤りたい1、せめて最後は笑顔でお別れしたい・・・・・・
刻々と迫る式の時間に、顔が青ざめている私を鏡が映し出す。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:16:36.33 ID:SCFqxrX60
伊織。
ふと思い出す美希の声、それと同時に懐かしさと悔しさから涙が顔を伝う。
ねぇ、美希。
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