4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga ]
2014/05/09(金) 21:01:10.78 ID:SCFqxrX60
 ふふっ、と自嘲気味に笑う。 
  
 無様なものね、水瀬伊織。 
  
 こんな風に弱い人間になってしまったのね。 
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga ]
2014/05/09(金) 21:02:09.42 ID:SCFqxrX60
 2階の窓から差し込む日が部屋を暖めてくれるのに、私の体は冷え切っていた。 
  
 晴れの舞台なのに、私を見た親族は私が虚ろな目をしてるのに驚くだろうか。 
  
 ・・・・・・少しは、同情してくれるかしら。 
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga ]
2014/05/09(金) 21:03:12.26 ID:SCFqxrX60
 事の発端は、私が20歳になった日。 
  
 「・・・・・・お父様、それはどういうことかしら」 
  
 私はお父様の執務室で信じられない言葉を聞く。 
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:04:15.13 ID:SCFqxrX60
 でも、それにしてもまだ早すぎる。 
  
 アイドルになって5年、やっとトップアイドルに手が届きそうな位置にいるのに・・・・・・! 
  
 「だからってまだ」 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:05:15.62 ID:SCFqxrX60
 でも、なんでなのかしら? 
  
 こんな早急に私に後を継がせようと? 
  
 意味がわからないわ。 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:05:53.52 ID:SCFqxrX60
 「お父様の卑怯者・・・・・・」 
  
 「卑怯だろうがなんだろうが、これは水瀬のためであり、伊織のためなのだよ」 
  
 「私のためですって・・・・・・?ふざけないでちょうだい!私なんかどうでもいいんでしょ!?」 
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:07:04.71 ID:SCFqxrX60
 そんなことをぼんやり思い出しながら私は指先を虚空に舞わす。 
  
 水瀬財閥は日本でも有数な大きな組織。 
  
 それを維持するためには強固な経営形態と運営能力が必要とされる。 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:07:56.30 ID:SCFqxrX60
 実際、私の相手は超がつくエリートと言っていいらしい。 
  
 顔合わせの時も何回か電話で離籍した事があったけど、それも全てビジネスってことらしいわ。 
  
 仕事はできる、将来有望、顔も・・・・・・まぁ、アイツほどじゃないけどまぁまぁってところね。 
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:08:54.05 ID:SCFqxrX60
 そう言えばちょっとだけ気になることが、1つだけ。 
  
 式が身内だけなのよね、後は765プロのみんなが参加する位かしら。 
  
 余計なマスコミは完全シャットアウト、実際報告は漏らさないように口止めされてたし。 
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:09:29.72 ID:SCFqxrX60
 話はお見合い話が出る前に遡るわ。 
  
 私は美希と付き合ってた。 
  
 知ってるのは765のみんなくらいかしらね。 
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/05/09(金) 21:10:15.55 ID:SCFqxrX60
 「あーもう!なんなのなの!あのディレクターは!」 
  
 美希が事務所に入った瞬間、大きな声で爆発する。 
  
 「落ち着きなさいよ美希、あれは確かに酷いけど」 
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