20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/12(月) 20:55:33.53 ID:WmSvF+Wh0
確認しようと振り向いた瞬間。
「…………っ!」
僕は死を覚悟した。
キスショットと初めて出会った、高校生の春休み、地獄の二週間。
街灯の光に照らされたキスショットに首を差し出したあの時とよく似ていた。
ああ、僕は今から死ぬのか。
そんな諦めとも取れる感情が四肢を支配する。
「ふっ……」
僕は笑った。
人間は、許容できない濃度の絶望に晒されると顔が綻ぶことを僕は知った。
その教訓は、もう活かせそうにないけれど。
それでも僕は、虚勢を張ろう。
それが、人として産まれた僕の最期の意地だ。
「おはよう、秋月。今日はいい日だな」
「ええ、本当に、いい日ですね」
仕事をさぼって遊んでいられるんですものね、と修羅か羅刹のような表情で微笑む秋月。
僕、阿良々木暦はその日、かつて経験した春休みの地獄に匹敵するであろう惨劇を垣間見ることになったのであった。
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