過去ログ - 阿良々木暦「ことりハザード」
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/12(月) 21:01:03.44 ID:WmSvF+Wh0


004


忍野の言葉通り、僕には怪異が取り憑いていたらしい。
ただ、取り憑いてから『発症』までに時間のかかる怪異、という理由から全く気付かなかった、という訳だ。

忍野が言うには主に女性に取り憑く怪異であり、事によってはかなり厄介な相手、との事で忍野自身も765プロ事務所へと来訪したのだった。
その道中、珍しく真面目な表情のまま僕に問診するように会話を交わす。

「阿良々木くんさ、例えば……僕を見てドキッとする、なんてこと、ないよね?」

「何だよいきなり、気持ち悪いな」

「僕は大真面目だよ」

「……ある訳ないだろ」

「そう、ならいいけど」

それでも表情を崩さずに、忍野は何かを考え込んでいた。

「……僕の取り越し苦労ならいいんだけれどね」

等とこぼす。
この軽薄が売りの男がここまで思い煩う程、危険な怪異が取り憑いている可能性があるというのか……?

あくまで中立、世界のバランスを整えることを生業とした忍野は、あの全盛期のキスショットの心臓を掠め奪るという偉業とも呼べる事を成している。
その忍野が、だ。
どれ程の脅威だというのだろうか。

思案を巡らせているうちに事務所に辿り着く。

「ただいま戻りました」

「お帰りなさいプロデューサーさん……あら、お客様ですか?」

「ええ、昔の友人で……応接室、借りますね」

「忍野メメです、よろしく」

「……! 今、お茶を淹れますね」

そう言って音無さんはそそくさと給湯室へと向かった。
忍野を見て表情が緩んでいたのは気のせいだろう。
気のせいであってくれ。



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