94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/17(土) 23:32:38.15 ID:7+sWkWj00
防寒具、登山用装備、水に携帯食料、手に持つとズシリと重いそれらを、部屋に並べて用意した。
勇者「…これ、半分くらいは持ってくれますよね?」
姫「ヤですの、こんなもの持って山登りなんて、お弁当とランチョンマットだけ持っていけばいいのではなくて?」
勇者「ハイキングじゃないんですから!…無理です」
取り敢えず、途中までは馬車で行こうということで、村の人に馬車を出してもらった。
村の茂みに潜んでいたオークを退治したお陰で、勇者も少し恩を感じてもらえているようだった。
御者が揺らす馬車の荷台で、装備の点検をしていると
見知った顔が道の端に見えました。
馬を止めてもらい、彼も荷台から道に降りた。
?「……こんにちは」
勇者「あれ、もう起きて大丈夫なんですか?怪我は」
風体も、包帯や湿布もすっかり取れてもうすっかり治ったように見えた。
?「はい、もうすっかり、ありがとうございます」
勇者「いいえ、無事でなにより、今日は見送りに来てくれたんですか?」
?「はい、あ、いえ…えっと」
彼女はそう言い淀むと、脇に抱えた荷物を見せてきた。
果たしてそれは、女物の防寒具で、やはり色は黒だった。
?「私も、あなたの旅に連れて行ってください!」
勇者「え?!」
姫「………」
?「わ、私、荷物持ちくらいなら自信がありますし、自分の身くらいなら守れます!」
勇者「えぇ、それでも危ないですよ?!相手は竜なんですから」
?「最悪見捨ててもらっても構いません!覚悟は出来てます!」
姫「いいんじゃありません?…あなた、あの店主には言ってありますの?」
?「お店の方にはお暇をもらってあります、お願いです、私に恩返しをさせてください」
勇者「……っ」
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