過去ログ - 遊佐こずえ「つれてってくれるから」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/17(土) 00:55:33.09 ID:SBYvJ4MO0

 私の口から出たのは、否定の言葉だった。こずえの信頼を無碍にする、自己保身の言葉だ。彼女が私に失望したとき、それが大きくならないよう、予防線を張ったのだ。

 こずえの手を握り、事務所に帰るよう促した。けれども、彼女は立ち止まり、私をずっと見つめてくる。

「こずえはね、なんでもできるのー」

 その台詞は、突拍子もなく聞こえた。返答に詰まっていると、こずえはまた口を開く。

「でも、してほしいことも、あるから……ぷろでゅーさーにたのむんだぁ」

「してほしいこと?」

「うん……こずえじゃ、いけないから。つれてってもらうー」

 私には、なんと答えていいかわからない。私がこずえを、連れて行ける場所など、思い当たらない。

「えっと、こずえひとりじゃ、きがえ……できからねぇ。でも、ぷろでゅーさーがしてくれるから……」

 おぼつかない言葉を、こずえは繋ぎ繋ぎで口にする。私は黙って、その続きを待った。

「ぷろでゅーさーが、してくれるから……こずえはなんでもできるのー」





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