過去ログ - 遊佐こずえ「つれてってくれるから」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/05/17(土) 00:56:12.17 ID:SBYvJ4MO0

「――だから、ぷろでゅーさーは……こずえをみつけなきゃ、だめー」

 それ以上、こずえは喋らない。言いたいことを、すべて言ったらしい。実際のところ、私は彼女の伝えたいことを、充分に理解できたか、妖しいところだ。今だって、思案がまとまらず、感情のままに動こうとしている。

 私は膝をつき、こずえをぎゅっと抱き寄せる。彼女は抵抗せず、私の腕の中に納まった。そして、私はぼろぼろと、涙を零したのだ。

「どうしたのー? いたいのー?」

「違う、違うよ。これは嬉しくて泣いてるんだ」

 私はこずえを、知らず知らず、連れて行っていたのだろう。彼女の信頼に値する行為を、繰り返していたのだろう。彼女に、必要とされていたのだろう。

 それに気づかず、こずえをないがしろにし、自分は必要ないと決めつけていた。なんと馬鹿だったことか!

 そのことに気づかせてくれた、こずえが、とてつもなく愛おしい。私を頼り、信じて身を任せてくれる彼女が、好きで好きでたまらない。

「ありがとう、こずえ」

「どういたしましてぇ……ふわぁ、ぷろでゅーさー、あったかいから、ねむくなるねー」

 私の胸に頭を預け、こずえは欠伸を繰り返す。私は彼女が倒れないよう、しっかりと抱き寄せた。





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