26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/15(日) 21:33:34.47 ID:5+LUo+t4o
ムロイは次に「君の名前は?」と訊ねてきた。
よく知りもしない人に明かすのはためらわれたが、上手く拒否することもできず結局は教えることになった。
「なるほど、ケイね。いい名前だ」
彼はそう言ってもう一度うなずいた。
「とにかく怪我させてごめんな、ケイ。何かお詫びができればいいんだけど」
「そんな……いいですよ」
ケイは戸惑って首を振ったが、ムロイは引き下がらなかった。
「そういうわけにはいかないよ。何かなかったかな」
正直なところ初対面の人にそんなに気にされても困る、とケイは思った。
なんだか変な人だしなおさらだ。
ムロイはしばらく大きなリュックサックをがさごそ探った後、ぼさぼさの頭をかきながらつぶやいた。
「何もないな」
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