過去ログ - 星の声が聞こえている
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35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/25(水) 20:48:24.75 ID:SRH5G3sNo

 彼はケイの手から装置を受け取ると、立ち上がってスイッチを入れた。
 さああ、と木々のざわめきのような潮騒のような音が流れ出す。
 昼間よりも大きくはっきりと聞こえた。
 その音と夜の闇をバックにムロイは口を開く。

「確かにこれを星の声と断定するには材料が足りないかもしれない。なぜならこれは星が発してる波を受信して音に変換したものにすぎないからだ」
「星の波?」
「そう、星が出す電磁波、つまり可視光や放射線なんかを拾って音に変換するようにこの装置はできてる」

 ケイは思わずそれに目をやった。
 見た目は相変わらず安物の携帯ラジオだが。
「本当は赤外線や重力波も拾えればよかったんだけど、ちょっと無理だった。だから完全な声とは言えないんだ」
 ムロイはそう言って空を指し示す。
「星の出しているあらゆるメッセージを受け取って人間にもわかるように翻訳する。それが俺の研究目的で、夢でもある」
 一筋、星が流れた。



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