45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/07(月) 18:36:20.89 ID:1qEy49aIo
なぜムロイは星の声の研究をしているのだろうか。
その日最後の授業を受けながらふとケイは考えた。
あるかどうかもわからない不確かなものを追っている理由は何なのだろう。
星に意思があるわけもなく、あったとしても人間を気にするはずもなく、気にしたとしてもあえてこちらに呼びかけるとも限らない。
それでも星の声があると信じているのはなぜだ?
その言葉を人間が理解できる可能性はもっとないだろうに。
たいした疑問ではない。どうしても知りたいわけでもない。
それでも頭の半分を占めていたのはそのことで、もう半分はあの空白だ。
ムロイは突然やってきてケイの頭の中をあらかた占拠し終えてしまったようだった。
ムロイは一体何者なんだろう。
別段偉かったりすごかったりする人間でないのはわかる。
ではそんな人物を自分が気にするのは一体なぜなのだろう。
授業の終わりを告げるチャイムを聞きながら、ケイはなおもしばらく考え続けた。
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