8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/19(月) 21:04:35.27 ID:4b2u7eACo
それを自覚するとき、ケイはひどく情けない心地になる。
どっちつかずの宙ぶらりん。
きっぱり片方を選んで泰然としていられない自分に苛立つのだ。
そんなことを考えているので当然ながら本の内容は頭に入ってこない。
ふと顔を上げると二つ前の席に少女がいた。
頬杖をついて窓の外を眺めていてこちらからはその横顔が見える。
真っ先に目を引くのは綺麗に形の整った眉と鼻筋で、物憂げな表情がとてもよく似合っていた。
一人でいるというのに彼女は全く気にした様子はない。
周りも同じように気にしていない。
なぜならばきっと彼女にはそれが許されているからだ。
どこか遠い世界にいるような雰囲気かそれとも孤独ではなく孤高を感じさせるのなにかがあるのか。
あるいはもっと別な理由かもしれないが、とにかく彼女が一人でいることは当然のように受け入れられている。
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