過去ログ - ミリマスSS「私の描きたい世界」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:37:23.75 ID:R8kowSVNo
私も家に帰って、さっき聞いた曲名を調べました。どうやら昔のアイドルソングらしいけど、情報が少なくてそれ以外はわかりませんでした。
それからも、公園でおじさんと会うことが何度かありました。私は学校の課題だったり、絵を描いたり。おじさんも仕事をしてたり、何もしなかったり。
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2014/05/21(水) 00:42:00.28 ID:R8kowSVNo
またおじさんに会うことになるのは一年近く先のことで、私は高校生となっていました。
高校生となっても私の世界が変化することはありません。ただ周りに合わせて、つまらない絵を描く日々。
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2014/05/21(水) 00:42:57.17 ID:R8kowSVNo
「そこの自販機で買ってきたんだ。君もどうかね?」
おじさんは左手に持っていた缶ジュースを渡してきました。思わず受け取ってしまう。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:43:51.58 ID:R8kowSVNo
「そうなんですか? えっと、おめでとうございます」
「ありがとう。君はどうだね? その制服は確か○×高校のものだったかい?」
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2014/05/21(水) 00:45:34.34 ID:R8kowSVNo
「……どうだい。私にちょっと聞かせてくれないかな。もしかしたらアドバイスできることがあるかもしれない」
おじさんとはそれなりの時間を過ごしてきました。でも、私たちはあくまで他人のはずです。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:48:38.98 ID:R8kowSVNo
「君はおそらく夢を見失っているんじゃないかな? 進むべき道、ぼんやりとしているが辿り着きたい場所。それが何かに阻まれ見えなくなっている」
私の夢……私の叶えたい夢……。
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2014/05/21(水) 00:50:43.90 ID:R8kowSVNo
「私のお父さんが芸術家で、色んな作品を生み出しました。そんなお父さんの影響もあって、私も子供のころから色々なことをしました」
三歳のころ、クリスマスツリーの飾りつけなんかもしていたらしい。それぐらい、私は芸術と関わって生きてきました。
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2014/05/21(水) 00:52:10.69 ID:R8kowSVNo
「どうしたらいいかわからなくて、それで周りに合わせることにしたんです。当り前の世界を当り前に表現しようって」
それからは人が寄ってくるようになりました。当然です。技術で同い年の子に負けるとは思いません。私は尊敬の目で見られるようになりました。
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2014/05/21(水) 00:53:30.77 ID:R8kowSVNo
「……君はどうしたいのかね?」
「私は……絵を描き続けますよ。これ以外にやりたいこともありませんし」
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2014/05/21(水) 00:57:19.75 ID:R8kowSVNo
スケッチブックと向き合い集中します。何を描くか、公園でいいや。目の前に広がる景色、いつも傍にいた鳩はいません。
描き始める。音が消える。右手は止まらずに動き続ける。時々顔を上げる。けれど、景色が変わることはありません。
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