過去ログ - ミリマスSS「私の描きたい世界」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:42:00.28 ID:R8kowSVNo

 またおじさんに会うことになるのは一年近く先のことで、私は高校生となっていました。

 高校生となっても私の世界が変化することはありません。ただ周りに合わせて、つまらない絵を描く日々。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:42:57.17 ID:R8kowSVNo

「そこの自販機で買ってきたんだ。君もどうかね?」

 おじさんは左手に持っていた缶ジュースを渡してきました。思わず受け取ってしまう。

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:43:51.58 ID:R8kowSVNo

「そうなんですか? えっと、おめでとうございます」

「ありがとう。君はどうだね? その制服は確か○×高校のものだったかい?」

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:45:34.34 ID:R8kowSVNo

「……どうだい。私にちょっと聞かせてくれないかな。もしかしたらアドバイスできることがあるかもしれない」

 おじさんとはそれなりの時間を過ごしてきました。でも、私たちはあくまで他人のはずです。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:48:38.98 ID:R8kowSVNo

「君はおそらく夢を見失っているんじゃないかな? 進むべき道、ぼんやりとしているが辿り着きたい場所。それが何かに阻まれ見えなくなっている」

 私の夢……私の叶えたい夢……。

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:50:43.90 ID:R8kowSVNo

「私のお父さんが芸術家で、色んな作品を生み出しました。そんなお父さんの影響もあって、私も子供のころから色々なことをしました」

 三歳のころ、クリスマスツリーの飾りつけなんかもしていたらしい。それぐらい、私は芸術と関わって生きてきました。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:52:10.69 ID:R8kowSVNo

「どうしたらいいかわからなくて、それで周りに合わせることにしたんです。当り前の世界を当り前に表現しようって」

 それからは人が寄ってくるようになりました。当然です。技術で同い年の子に負けるとは思いません。私は尊敬の目で見られるようになりました。

以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:53:30.77 ID:R8kowSVNo

「……君はどうしたいのかね?」

「私は……絵を描き続けますよ。これ以外にやりたいこともありませんし」

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:57:19.75 ID:R8kowSVNo

 スケッチブックと向き合い集中します。何を描くか、公園でいいや。目の前に広がる景色、いつも傍にいた鳩はいません。

 描き始める。音が消える。右手は止まらずに動き続ける。時々顔を上げる。けれど、景色が変わることはありません。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 00:58:52.66 ID:R8kowSVNo

「良ければもう一つお願いしてもいいかな?」

「……なんですか? 私には……もう……」

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/21(水) 01:03:23.52 ID:R8kowSVNo

 鳩の人形を受け取る。小さくて白い、普通の鳩だ。絵の上に置く。それは絵の中にまったく溶け込んでいません。


 おかしな絵です。本当におかしい。アンバランスなんてもんじゃない。無機質な私の絵に無遠慮に割り込む鳩に、笑いが止まらない。
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