過去ログ - 千早「生き死にさえパラレル」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 14:52:59.00 ID:Kviglz0so




       [如月千早のプロデューサーの日記]

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/24(土) 14:54:22.86 ID:Kviglz0so
――月――日

 日記はどうも苦手で、今まで何度も書き始めて三日か長くて一週間でやめてしまったものだが、また書き始める事にする。
 自分で書いて、自分で読み返すくらいだろうし――解決するまで長くなりそうだ。
 簡潔に書くつもりだ。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/24(土) 14:55:00.73 ID:Kviglz0so
――月――日

 スタジオからの帰りにそれとなく昨日のことを訊いてみた。
 少しの間渋っていたが、『優くん』について話してくれた。
 何でも幼い頃に交通事故で亡くなったらしく、ずっと引っかかったままでいるらしい。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 14:55:47.12 ID:Kviglz0so
――月――日

 今日の千早はいつもより変なカンジだった。
 話しかけても上の空で(いつもか?)、珍しく歌のレッスンにも力が入っていないようだった。
 何かあったのか訊くと、何とも歯切れの悪い返事を返すだけで他には何も話してくれなかった。


5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 14:57:03.51 ID:Kviglz0so
――月――日

 千早が話しかけてきた。って、まあ珍しい事でもなかったんだけど、
ここ最近は俺が話してばっかりだったから何か新鮮だった。
 何を話すかと思いきや、生きるってなんでしょう、それは必ずしも幸せなんでしょうかとか、
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 14:58:04.69 ID:Kviglz0so
――月――日

 相変わらず千早は悩んでいるらしい。
 俺も仕事の合間に生きることと死ぬことについて考えてみたが、
千早の欲しがるであろう答えに辿り付けない。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 14:59:21.69 ID:Kviglz0so
――月――日

 車に乗ってる時、千早が何にも言わないのをいいことに、俺は気兼ねせずカーステでロック音楽を聴いてた。
 二曲目くらいが終わると千早が話しかけてきたので、ボリュームを絞った。
 優くんの話だった。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:00:22.00 ID:Kviglz0so
――月――日

 本来なら喜ばしい事なんだけれども、千早が話したいことがあると俺のところへ来た。
 この間のこともあって何だか気が進まなかったけど、聞くことにした。
 外へ行くのも面倒だし、かと言って事務所には他の人もいるから話しづらいだろうと思って、屋上へ二人で行った。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:01:34.28 ID:Kviglz0so
――月――日

 今日は雨だった。
 千早はいつにもまして気分が沈んでいた。
 どんよりとした空気の中で一段と濃いどんよりとした空気を纏っていた。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:02:16.93 ID:Kviglz0so
――月――日

 今日も千早に特に変わった様子はなかった。
 と思ったのだがテレビの、新興宗教団体の教祖が自殺したとかいうニュースを見てすごく驚いていた。
 だが、訊いてみても、どこか上の空でほとんど返事らしいものをしなかった。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:03:00.32 ID:Kviglz0so
――月――日

 今日は千早が休んだ。
 電話してみたが本当に具合が悪そうな声だった。
 昨日のことがあったので、今日はあくびも伸びもしなかった。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:04:43.17 ID:Kviglz0so
――月――日

 千早が事務所に来た、っても大したことじゃないんだけど……。
 何から書けばいいだろう。千早に許可を取って、音声に録ったが……まるで刑事ドラマみたいだ。
 とにかく、千早が来て……休んだ理由を尋ねた。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:05:15.47 ID:Kviglz0so





以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:05:41.67 ID:Kviglz0so



    ザー ザザッ…


15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:06:26.08 ID:Kviglz0so
 プロデューサー、大丈夫ですか。準備……私に負けず、機械音痴なんですから。
 ……そうですか。
 ……世紀毎の時間と瞬間的な時間? いえ、知りません。
 エリック・サティはほら……ジムノペディですよね。私、それは好きですけど。

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:06:55.35 ID:Kviglz0so
 優は五歳くらい……四歳だったかな、ともかく、小学校入る前に死んじゃって。
 ええ、その……私が優を殺したのは二年前です。忘れもしません……それについては、ええ、話しますよ。
 今はまだ……えーと、どこまで話しましたっけ。
 ああ、全然話してませんね。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:07:33.06 ID:Kviglz0so
 それで、お母さん、高いお金払って何だかよく分からない置物買ってきたんです。
 ……人形だったかな。
 人型で、口が開いてて……でもやっぱり空ろで……なんか気持ち悪かったです。
 ね、それで、お母さん、その人形を抱いて、優の名前を呼ぶんです。
 ……気持ち悪いですよね。私も、すごく嫌でした。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:08:11.85 ID:Kviglz0so
 さすがに家の外までは持って行ってなかったみたいで、お母さんが出掛ける時は、
用意されてた専用の椅子に座っていたんです。
 それで、私が学校から帰ってきたある日……お母さんは出かけていて……。
 いつもの様にただいまって言ったんです。
 癖ですよ。いつもの癖。誰も居なくっても、ついつい……まあ、それは構いませんが。


19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:08:37.49 ID:Kviglz0so


 ただいまって言ったら……その人形がおかえりって言ったんです。
 ……いえ、優がおかえりって。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:09:03.57 ID:Kviglz0so


 ……プロデューサー、平気ですか?

 ………………


21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/24(土) 15:09:31.46 ID:Kviglz0so
 ええ、いや……私、本当に腰ぬかしちゃって。
 だって……あの……今考えたって狂ってます……あの、私怖かったんですけど、その時信じたんです。
 お母さんのこと。
 だって、本当に優だったんだ。って、そのおかえりの一言で信じちゃったんです。
 優? って私が訊くと、優はお姉ちゃん? って訊くんです。
以下略



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