11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 13:11:58.42 ID:dxcDzJ6y0
「今日は大変でしたね。お疲れ様です」
「九割方こいつのせいだけどな」
ソファーに凭れかかって大口を開けながら眠る双葉を顎で指す。
双葉はこんな性格に反し、アイドルとしての人気はそこそこに高い。
ライブやイベントでもそのやる気のなさを隠すことはなく、むしろそれが逆に受けている感まである。
巷ではニート希望の星、養ってあげたいアイドルNo.1、といった返上したらいいのか挽回したらいいのか理解に苦しむ呼び名までついている。
「双葉殿は才はあると思うのですが……」
「ああ、やる気のなさだけはどうしようもない」
仕方なく怠惰アイドルとして売り出したその結果、売れてしまったのだから世の中わからない。
これも時代の風だろうかと思わせるには十分だ。
馬車馬のように、とまでは言わない。
せめて普通に活動することを良しとしてくれたら、もっと人気が出せるだろうことは確信に近い予感を以って言える。
だが、本人の勤労意欲だけはどうしようもないしな……。
「おかわりッ!!」
と、早坂が口の周りをソースで汚しながら皿を僕に差し出す。
「良く食うな早坂……まぁいい、沢山食ってでかくなれ」
身長だけじゃなく他の部分もな、と言ったら早坂に引っかかれるどころか脇山にも一撃入れられそうなので口をつぐんでおいた。
早坂はともかく、脇山も冗談が通じないタイプな上に剣道を嗜んでいるのである。
どうせ食事代は経費で出る。
僕も夕飯代を浮かす為に何か食べておこう。
早坂の口周りを備え付けのナプキンで拭きながら呼び出しボタンを押す。
本当に学校の保護者みたいな気分になってきた……。
いや保護者なんだけどさ。
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