132: ◆tcMEv3/XvI[saga]
2014/08/07(木) 11:38:20.48 ID:WE5r05oHo
  
  
 #5−5# 
  
  
 通路を歩けば、顔を合わせる白衣たちは、皆決まったように驚いた。 
 ダニエルの帰還を歓迎しているのだ。 
  
  
 「お早うございます! ダニエル博士!!」 
  
 「普段と変わらない顔色で安心しました」 
  
 「貴方が居ないプロジェクトは停滞し通しでしたよ」 
  
 「御無事で何よりです!」 
  
 「ダニエル博士!」 
  
  
 廃工場の地下に、とんでもなくハイテクな研究所が広がっていた。 
 清潔で涼しい空間は、迷宮の様に入り組んでいくつもの部屋で構成されていた。 
 オフィスのようにPCと書類が並ぶ部屋もあれば、機械的な配線が満ちた部屋もある。 
  
  
 ダニエル「人気者じゃないか」 
  
 アリシア「記憶喪失の件は、皆、知っています」 
  
 ダニエル「……研究所の彼らに気を使わせているな……」 
  
 アリシア「君のもつ不安に比べれば、大したことじゃありませんにゃ」 
  
 ダニエル「ありがとう。……D1号研究室、これが僕の研究室?」 
  
 アリシア「そうですにゃ」 
  
  
 広い研究室。 
 巨大な自動ドアの向こうに、巨大な球体が見える。 
 研究室に入ってみれば、球体はより凄まじい威圧感をもって鎮座している。 
  
 球体には無数のケーブルが繋がれていて、それが20台ほどのPCと、壁とに繋がっている。 
 壁の線はサーバールームと電源室に通じている。 
  
  
 研究員1「おい、機体温度の上昇が止まらないぞ!」 
  
 研究員2「こういう時は……ええと……」 
  
 ダニエル「貸してみろ」 
  
  
 制御プログラムを開き、コマンド入力。 
 使用メモリ領域を半分以下まで制限する。 
  
  
 アリシア「よく覚えてたね」 
  
 ダニエル「体に染みついていたらしい」 
  
 研究員1「博士……お久しぶりです!」 
  
 ダニエル「待たせたね。それより君、注意深く作業したまえ」 
  
 研究員1「はいッ!」 
  
  
141Res/131.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。