過去ログ - School Daysより「鮮血の結末」…その後
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:47:55.85 ID:9FBrt30T0
「あなたはその場にいたんでしょ? どうして何も言わないの!」
すさまじい表情でにらみつけるが、その目からは涙が止まらない。
誠はなおも何も言えず、真奈美の怒りをさらにかき立てたが、
その場にいた看護士たちがその様子に気づき、誠は真奈美から放された。
「やめて! あの子は全部知ってるのよ! 私たちに話すべきだわ!」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:48:51.43 ID:9FBrt30T0
病院にいた誠は、まもなく、今度は警察に呼ばれ、
殺人未遂事件の現場に居合わせた者の中でも重要人物であるとして、
事情聴取を受けたが、ここでも無言を貫き、何も語らなかった。
休みを挟みながら、時に優しく、時に厳しく、
およそ2時間にわたり担当の警察官は粘ったが、
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:49:39.11 ID:9FBrt30T0
警察署から出た誠だが、戻るべきところは病院…のはずだった。
しかし、誠は、まるで何事もなかったかのように、家へと戻った。
今は思考停止して、ただ眠りたい…そう考えていたが、
病院や警察から既に連絡を受け、家で待っていた母親は、それを決して認めなかった。
「傷ついているのは、誰なのよ! 今すぐ、二人のいる病院に行きなさい!」
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:50:57.39 ID:9FBrt30T0
しかし、誠は、二往復目の模手原坂下駅で、思わぬ人物と出会った。
「え…清浦…?」
駅にいたのは、パリにいるはずの、清浦刹那と、その母・舞の二人だった。
「伊藤…なんでこんなところにいるの」
「それは、むしろ俺のセリフだよ」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:52:06.85 ID:9FBrt30T0
「やめなさい! 誠君を蹴ったって、何にもならないのよ、刹那!」
「放してよ! 伊藤、約束したのに。世界を守るって…約束したのに!」
怒り、憎しみ、悲しみが混じった視線を、刹那は誠に向けた。
誠はうなだれ…何も返せなかった。
「お母さん、もう蹴らないから…放して」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:53:38.84 ID:9FBrt30T0
病院の緊急医療室前では、西園寺踊子、桂真奈美の二人が誠を待ち続けていた。
ちなみに桂心は、泣き疲れて眠りについた後、父親とともに先に家に帰っていた。
娘が瀕死の重傷を負っている母親二人は、どちらも沈痛そうな表情を浮かべていたが、
舞は、「大丈夫だから、世界ちゃんも、言葉ちゃんも」と励まし続けた。
一方の刹那は、母親たちとは離れたところにあるロビーで、
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:54:37.94 ID:9FBrt30T0
「なんで何も話せないの? 話せない理由があるの?」
刹那の問いかけに、誠はうなずき、考え込んでいたが、
しばらくして、重く閉ざしていた口を、ようやく開けた。
「俺が下手に話したら…どちらかの責任になる…」
「どちらかって…世界か、桂さんかってこと?」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:55:34.23 ID:9FBrt30T0
刹那は、諦めずに説得を続けた。
「伊藤…私が転校する前に言ってくれたよね」
「え…」
「清浦は、いい相談相手だって。もっと早く話ができてればよかったって」
誠は、学祭前のことを思い出し、思わず刹那の方を向いた。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:56:26.71 ID:9FBrt30T0
「なんて言うか、その…悪いのは、俺なんだ」
「…え」
「そうだ。悪いのは…すべて、この俺なんだ」
誠は、再びうつむいたが、押し黙ることなく話し続けた。
「あの時…歩道橋の上で、世界に刃物を向けて斬りつけたのは、言葉だ。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 22:57:04.61 ID:9FBrt30T0
「俺…清浦に、世界のこと、お願いって言われて…、
 あの時に、世界とつきあっていくこと、決めたはずなのに…、
 なのに、言葉の寂しそうな姿を見るのが耐えられなくて…。
 刹那には、言葉に近づくなって言われてたのに、
 俺は…結局、言葉も自分の側に呼び戻してしまって、
以下略



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