過去ログ - 【とあるSS】壊れた窒素と、打ち砕く幻想【改】
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4:K[saga]
2014/05/27(火) 02:55:05.79 ID:miaor/mCo

 少女には、全く光を感じさせなかった。
 子供のようで、子供ではなかった。

???「で、絹旗ちゃんはどうするんだよ」

 仕切り直しと、影――いや、もう一人の少女が再度質問を投げかける。
 瓦礫に腰を落ち着かせ、今にもそこら辺で転がって昼寝でも始めてしまいそうな少女。
 パーカーの少女――絹旗と同様に、少女もまた小柄で、起伏が少ない。
 周囲の闇に溶け込むかのような、黒い衣服を身に纏っている。
 自らを締め付けるような隙間のない革と鋲でできた衣服。
 さらりと伸びた黒髪は、アクセントのつもりかもみあげ部分だけが脱色され、純粋ではない金色が炎の揺らめきに反応して輝いた。
 輝く髪とは真逆に、しかし少女の瞳は何日も寝ていないかのように濃い隈ができていた。
 元々、目つきが悪いのか、細めた瞳は隈によって鋭さを増している。
 レスポールとヤクが趣味ですとでも言わんばかりの風貌。
 彼女もまた子供のようで、子供ではなかった。

絹旗「まあ、しばらくは身を超隠すしか選択肢はないですね。とりあえず、この街で転々と暮らしていきますよ」

 絹旗と呼ばれたパーカーの少女は、どこか遠くを見つめながら答えた。
 そこには何の感情も浮かんではいない。

???「暮らすって言ってもよ、これがねえだろうが」

 もう一人の少女が親指と人差し指で小さな輪っかを作った。

絹旗「それに関しては超問題ありませんよ。ほら」

 絹旗はパンツの後ろポケットに手を突っ込み、数枚のカードを取り出した。
 まるでトランプのように扇状に広げられたそれは、金融機関もバラバラの磁気カードであった。
 そんな絹旗に対し、もう一人の少女は溜め息混じりに呟く。




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