過去ログ - 実験動物は生を望む夢を見るか? とあるミサカの追憶夢想
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:18:49.66 ID:RTZzeZYG0

電撃の槍。磁力の鉄柱。砂鉄の剣。そして、お姉様の通り名である『超電磁砲』。
その全てを悉く退けた彼が不気味な笑みを浮かべ、お姉様へ一歩踏み出したあの時。

思い出すだけで、身体中に寒気が走ります。
以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:19:23.57 ID:RTZzeZYG0

お姉様と言葉を交えてから、僅かな間に、ネットワークは少しずつしかし急激に変化していきました。
街中の景色を楽しみ、道行く人の観察に心躍り、新たな経験を詰むたびに、ネットワークには次々と一輪の花が咲くような感覚が灯りました。
ひょっとしたら、ミサカたちは今、実験動物から人のそれへと変わっているのでは――。
ミサカは思いました。
以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:19:56.07 ID:RTZzeZYG0


――やめてっ……。やめてよ。

――その声で、
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:20:54.28 ID:RTZzeZYG0

それは苛立の中生まれてしまった、反射のようなものだったのでしょう。決して、本心ではない。それは分かります。
けれど生まれ始めたミサカたちの感情を殺し、ミサカの心を引き裂くには、十分すぎる言葉でした。ですが何よりも、ミサカは自分が許せませんでした。

実験動物であるミサカは、何も分かっていませんでした。
以下略



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:21:39.87 ID:RTZzeZYG0


ミサカは浮かれていました。

お姉様と話せたこと。
以下略



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:22:21.65 ID:RTZzeZYG0

本来であれば――出会うべきではなかった。

何も知らなければ――お姉様は変わりない日常を過ごし、彼は絶対の力を手にし実験は終わり、ミサカたちの存在はレポートにのみ纏められる存在と終わった筈なのに。

以下略



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:22:58.14 ID:RTZzeZYG0

そのようなことを思うたびに、胸の奥でその言葉を嗤う自分がそこにいます。

ミサカにとっての神は、ミサカを作り出した研究員であり、ミサカに知識を付けたあの少女です。

以下略



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:23:42.32 ID:RTZzeZYG0


……けれどそれも無意味ですね。

問うた所でミサカの運命が変わる訳でもなく、一つの疑問の回答が得られるだけです。
以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:24:58.40 ID:RTZzeZYG0

――神。作られたミサカにとってそれは、あまりにも近くにいる現実。
人の運命を決めるのが神と言うものであるならば、生まれた理由も、生きる意味も、全て人に作られたミサカはなんなのでしょう。

ああ、無意味な追憶は止まらない。
以下略



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:25:29.05 ID:RTZzeZYG0

人の持つそれとは大きくかけ離れた歪なココロ。

ミサカは……何者なのでしょうか。

以下略



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/30(金) 23:26:24.16 ID:RTZzeZYG0

全ての運命が変わり始めたのは、10031人目のミサカの命が散ったあの時からでした。

夕闇がビルの影を伸ばす下校時刻。再びあの少年と出会いました。

以下略



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