過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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833:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/04/30(木) 17:33:15.23 ID:X2mOQ2ue0
いくら大丈夫だと言われても、自分の過ちは許されない気がした。


夕「本当に問題なかったんです。むしろ好調すぎて、私の方が疑ってしまったほどで」


夕さんが笑いながら驚き体験を思い出すものだから、

俺だけでなく雪乃までも次の言葉を紡げないでいた。


夕「そんな顔をしないでくださいよ。本当の事なのですから」

八幡「でも・・・」

雪乃「どうして大丈夫だったのでしょうか?」


なおも信じられないという顔で雪乃が問い直す。


夕「それは先ほども言いましたが、比企谷君がくれたものだからです。

  この説明だけでは不十分ですね」


俺達がまだ納得していないと判断したのか、夕さんはさらに話をすすめた。


夕「つまりですね、私の研究室では食べられるようになった理由はわかりますか?」


俺と雪乃はそろいもそろって首を横に振る。

考える事を放棄したわけではないが、答えが見えてこなかった。


夕「これは昴の感覚的な問題なのですが、私の研究室が疑似的な自宅の一部と

  認識しているみたいなのです。

  そもそも家でならば、安心できる。

  家でならば、いくら吐いたとしても問題を世間に隠したままにしておける。

  家でならば、家族が助けてくれる。

  そういった守られた空間があるからこそ昴は家でならば食事ができているのだと

  思います。

  そして私の研究室が家の延長線上と考えることができれば、

  そこでならば食事ができると考えましたし、実際徐々にではありましたが

  食事ができるようになってきました。

  そもそも外出先での食事だけが無理であって、自宅では問題なく食事が出来ている事に、

  研修室では食事ができるのは不思議に思わないでしたか?」

八幡「そう言われてみればそうですね」

昴「それでも病院に担ぎ込まれた直後は、家であっても外出直前の食事は気を使ったけどね。

  食べてしまったら、外出先で吐いてしまうかもっていう強迫観念があるから」

夕「たしかにそういう段階もありましたが、今では私の研究室でならば一人でも

  食べられるようにはなったんですよ。

  さすがに毎日必ず私が研究室にいることなんてできはしませんから」


今では困難を乗り越えた結果のみを俺達に伝えてくるが、

その過程をみてきたわけではないが、きっと挫折の繰り返しに違いない。

今だからこそ話せる事であって、

今だからこそ俺達に告白できるようにまで前進したと推測することができた。

だから、夕さんが俺達に打ち明けるときの緊張も、その突然の告白を聞いた時の昴の驚きも、

今となっては十分すぎるほど納得できるものであった。


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