過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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875:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/05/21(木) 17:35:18.80 ID:bamkGDGV0
八幡「それで実際講義に出てみたらどうだったんです?」

陽乃「たぶん比企谷君が一番知ってるんじゃないかな」


 俺は、はてな?と首を傾げてしまう。そもそも今まで橘教授は、ガイダンスを含めて生徒が

理解できない内容を講義したことなどはない。これは橘教授に直接言うことなんてできない

事ではあるが、はっきりいって橘教授の講義はつまらないほど丁寧で理解しやすい。

この講義を聞いてわからないっていう奴がいたんなら、そもそもうちの大学レベルではないと

諦めて退学したほうがいいとさえ思うほどでもある。しかも、講義の最後に確認のための

小テストまでやる至れり尽くせりの懇切丁寧な講義だ。


陽乃「比企谷君が今想像しているのと同じ講義だったわ」


 だから俺の心を覗かないでくださいって。もう俺の事が好きすぎるでしょ。


陽乃「私が出た時も比企谷君が受けているつまらない講義と同じで、すっごくがっかりしたの

   を今でも鮮明に覚えているわ。ちなみに服装はあの芸者Tシャツだったけどね」

橘「あの後でしたね。陽乃君に服装指導を受けたのは」

陽乃「その前に学部長からの呼び出しだったじゃない」

橘「そうでしたね」


 なんだか年上相手にタメ口で話しているというのに、それがいかにも自然すぎて、

俺は橘教授に親近感を覚えるのと同時に、この部屋に入るまでの緊張を捨て去ることが

できていた。別に陽乃さんが意図してやっているはずもないと思えるが、一応心の中で感謝

だけはしておこう。・・・・・・・意図的だな、絶対。半分だけ感謝してますよ、陽乃さん。

でももう半分は、俺をからかう為だったでしょ。


雪乃「学部長に呼ばれたのは服装についてですよね?」


 雪乃の方は最初から緊張などしていなかったので、とくに変化もなく平然と質問を

しているが、それでも橘教授とも距離感は縮めているようではあった。


橘「そうだよ。スーツを着てこいとまでは言われなかったけど、教授として威厳がある服装を

   しろって1時間近くも叱られたのを今でも覚えているよ。たしか陽乃君が僕の

   研究室に来ているときだったよね?」

陽乃「ええ、そうよ。学部長ったら、話は少しで終わるから廊下で待っててくれって

   言ったくせに二時間もお説教してたのを覚えているわ」


 あれ? 1時間じゃないんですか? いくらなんでも一時間も違うっておかしいでしょ。

陽乃さんが意図的に間違えるのならばわかるけど、それはないだろうし。また、「俺が知って

いた」橘教授が時間を間違えるとも思えない。だったら、この認識の違いはどこからくるんだ?


橘「二時間だっけ? 僕はわりと早くすんだっていう印象が残っていたんだけど」

雪乃「そもそも一時間でも長いと思うのだけれど」


 雪乃は隣にいる俺にだけ聞こえる声でぽそっと呟く。

きっと目の前の二人に伝えても意味がないとわかっているのだろう。


陽乃「今は落ち着いているからいいけど、また面倒な事を起こしてスタンフォードに

   戻るなんてことにならないようにしてよね」


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