過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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黒猫
◆7XSzFA40w.
[saga]
2015/06/18(木) 17:29:13.22 ID:vyxJT6kE0
陽乃「そんなに身構えなくてもいいのに。比企谷君と一緒に写っている2ショットの写真が
欲しいだけなのに。それさえも警戒するなんて、お姉ちゃんすっごくショックかも」
だからぁ、そこでわざとらしく、よ、よ、よって泣き崩れる真似をしないでくださいよ。
しかも演技だとわかっているのに、なにアカデミー賞級のその演技。
さすが生まれてから演技してきたキャリアは違うってことかよ。
八幡「すみませんでした。ごめんなさい。
だから、これ以上俺にプレッシャーかけないでくださいよっ」
陽乃「別にそんなつもりじゃないんだけどなぁ……。
でも、まっいっか。はい、写真撮るから肩を寄せて寄せて」
八幡「わかりましたから、そんなにせかさないでくださいって」
陽乃「うん、じゃあレンズの方をよく見ててね」
八幡「はい、わかりましたって」
俺はシャッター音が鳴るのを今か今かと待ち続ける。そんなには待つ時間があるわけでも
ないのにシャッター音が鳴らない。そもそも陽乃さんの顔をが近すぎる。レンズから目を
離すなって言われているので視線を動かす事は出来ないが、ちょっと左にずらせば至近距離に
陽乃さんの顔があるはずだ。と、石像のごとく身を固くして待ち続けていると、
頬に小さな柔らかい感触が押し付けられる。
これって、つまりあれだよな。陽乃さんが頬にキスしたってことだよな。
俺はいまだに解けない命令を忠実に守ってしまい視線さえ動かせないでいた。
今すぐに陽乃さんのことを見て確かめたいのにそれができない。そこでせめてのも抵抗として
レンズの側にある車のバックミラーでいま起きっている状態を確かめようとする。
俺の目がバックミラーを捉えようとする瞬間、先ほどまで俺が待ち望んでいたシャッター音が
車内に鳴り響く。今になっては絶対に鳴ってほしくはないシャッター音が俺の鼓膜を突き破る。
ということは、このシャッター音は陽乃さんが俺の頬にキスした瞬間をとらえたというわけで。
……ごめん、これ以上考えるのをやめたくなってきた。
陽乃「さて、目当ての写真も撮れたわけだし、さっきの事は許してあげるね。あっ、大丈夫だよ。
雪乃ちゃんに見せつけたりなんてしないし、誰にもみせる気はないから。
ただ……思い出が欲しかっただけだから、犬にかまれたとでも思ってくれればいいから」
八幡「そんなふうに思えるわけ……」
金縛りが解けた俺は陽乃さんの目を捉えて大声で文句を言ってやろうとした。けれど、
俺のその勇ましさは、その決意は、蛮勇行為を行ったはずの小さく震える少女によって
打ち砕かれる。それは、本当に思い出が欲しかったと思えてしまう。いくら俺であっても陽乃
さんの好意に気がつかないなんてありえはしない。だからこそ陽乃さんは俺との関係に区切り
をつけにきたとおもえてしまった。そうなると俺には、なにもできない。陽乃さんが
無防備すぎる状態になってしまったのは、俺が少なからず関わっているのだから。
八幡「今回だけですよ」
陽乃「うん、ありがと」
その幼い笑顔を見てしまっては、全ての言葉が引き下がってしまう。もはや俺にはなにも
できない。なにもしない。
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