過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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黒猫
◆7XSzFA40w.
[saga]
2015/08/20(木) 06:13:44.56 ID:hzyaEAjx0
陽乃「食べよっかな。でもその前に八幡。忘れていないかなぁ〜。ん、ん?」
八幡「えっと……、なんのことでしょうか? なにか陽乃さんと約束でもしていましたっけ?」
ほらぁ〜、目をそらさないでよ。いっつも嘘をつくときは目をそらすんだから。
その子供っぽすぎる反応は、それはそれで母性をくすぐられちゃうときもあるけど、
今は追い詰めたくなっちゃうのよね。だって、それって雪乃ちゃんの為でしょ?
陽乃「むぅ〜。わたしの事を呼ぶときは陽乃さんではなくて陽乃でしょ? 忘れたふりしても無駄よ?」
八幡「忘れたふりはしてないですよ。昨夜も雪乃に指摘されたのですが、陽乃さんと言う時と
陽乃って言うときがあるみたいなんですよ。だから意識してないので俺がわざと言って
いるわけではないんです。つまり……えっとなんだ、もう少し自然に呼べるように
なるまで待ってくださいって事ですよ。わざとらしく呼ぶよりは自然に呼べるように
なったほうがいいですよね?」
陽乃「なんだか色々と理屈っぽく言い訳されている気もするけど、まっいいわ。
どうせ強制していやいや呼んでもらうよりも自然に呼ばれる方が嬉しいもの」
雪乃「はぁ……、姉さんも八幡には甘いのね。こういう手法は八幡の常套手段なのに」
陽乃「あら? それを雪乃ちゃんが言っちゃうの?」
雪乃「どういう意味かしら?」
雪乃ちゃんがわたしに気がつくまで浮かべていたデレっデレの表情はすでに消失し、
今はいつもの戦闘準備万全の顔へと変貌していた。
この静かに燃える表情こそが雪乃ちゃんのいつもの姿であり、わたしも八幡も慣れ親しんで
きた姿なのだけれど、どうも最近の雪乃ちゃんを見ているとお母さんを見ているようで気が
引けてしまうところがある。
これはいわば母への服従であり、逃げ出す事が出来ない習性なんだろうけど。
陽乃「特に今さら言うべき事でもないけど、ほら? 雪乃ちゃんこそわたしよりも八幡に
従順じゃない。悪い意味でも、いい意味でもね」
雪乃ちゃんの思い当たる節が多分にあるせいで言いかえしてはこれない。
それもあるだろうが、八幡が料理している姿に惚気ながら見つめている姿をわたしに
見られているのを悔しがっているのかもしれないかな。
八幡「もう朝から戦争するのはやめてくださいって。
陽乃さんも朝食を食べるんでしたら手伝って下さいよ」
雪乃「この人に食べさせる必要なんてないわ。そもそも実家で食べてから来るべきよ。常識として」
八幡「食べてこなかったんだからいいだろ? それに陽乃さんに、
……陽乃に常識を求める方が疲れるだけだ」
雪乃「それもそうね。だから姉さん。八幡の奴隷となって朝食の準備を手伝いって下さらない?」
陽乃「うん、それは構わないわよ。雪乃ちゃんのお許しが出たわけだから、
これで障害もなく八幡の奴隷になれるわね」
雪乃「もういいわ。朝起きてすぐは脳は働かないものね。確実に姉さんに問題があるはずなのに。
これ以上考える事を放棄したほうがいいって体が拒否反応してくるんですもの」
陽乃「じゃあ、ぱっぱと準備しちゃうから、雪乃ちゃんも着替えてきなさい」
雪乃「ええ、そうさせていただくわ」
たしかに雪乃ちゃんのいい分もわからなくもない。
でも、わたしが雪乃ちゃんに意地悪したくなる気持ちもわかってほしいものね。
だって、朝早くから見たくもない光景を見てしまったのだから。
見たら確実に嫉妬してしまうものを見せつけられてしまったから。
そんな微笑ましすぎる朝の光景に遭遇したのはわたしのせいだって言いかえされそう
だけど、今日という日は私にとって特別だった。
だから、いくらなんでも来るのが早すぎるほどの朝の時間だと文句を言われようと、
わたしは車を運転して雪乃ちゃんたちが住むマンションまでやってきたのだ。
あれからゆっくりと朝食を取り、雪乃ちゃんが淹れてくれた紅茶でまったりとした時間を
共有した。わたしというイレギュラーがいようと、雪乃ちゃん達はいつもの朝を過ごしていた
んだと思う。わたしを仲間に入れてくれた事には感謝した。それと同時に疎外感も感じずには
いられなかった。
これが比企谷君と雪乃ちゃんの朝の光景であり、イレギュラーが混在しようと当然のごとく
繰り返される。嫉妬という言葉でくくるのならば、間違った分類ではないと思う。
でも、なんというかちょっとだけ違うというか。
そもそもわたしは雪乃ちゃんと比企谷君の仲を裂きたいわけでも略奪したいわけでもないのだ。
ただ仲間に入れて欲しいだけ。できれば、ほんの少しでもいいから雪乃ちゃんに向けるような
眼差しをわたしにも向けて欲しいっていう下心もあるけど、それはまあ、いいよね、それぐらい。
それに、今日はわたしの誕生日会だし……、今日くらい我儘になってもいいよね?
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