過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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976:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/08/20(木) 06:14:21.27 ID:hzyaEAjx0

八幡「どこにいくんですか?」

陽乃「どこだろ?」

八幡「はぁ……、まあいいですけど」

 八幡の問いにわたしは答えを提示できない。
 わたしはあてもなく車を運転していた。海岸沿いに出て、船橋方面へと進んでいた。
 このまま進めば初めて八幡と雪乃ちゃんがデート?したショッピングモールへと行きつく
こともできる。また、もっと脚を伸ばせば雪乃ちゃんが大好きなディスティーランドへと
たどり着くだろう。
 ただ、どちらもわたしの目的地ではない。本当に目的地などなかったのだから。

陽乃「誕生日会かぁ……。こうやって八幡がわたしを監視という名目で隔離するのが
   定番になってきちゃったわね」

八幡「誰のせいですか、誰の。わざわざ準備しているのを邪魔しようとする方が
   悪いんじゃないですかね?」

陽乃「わたしはぁ〜、ほらっ、手伝ってあげようとしただけよ」

八幡「…………そうですかね」

 何を思い出してしまったのか、八幡は苦そうなものを口に含んだ顔をすると、
その顔を私に見せまいと顔を背け、面白くもない工場地帯を眺める。
ふふっ、なにを思い出しちゃったのかなぁ? そういう顔をすると、かえってちょっかい出し
たくなるのよね。だからこそわたしに顔を見せないようにしたんだろうけど、無駄な努力よね。
 おそらく八幡は既に諦めているんだろうけど。

陽乃「例えば?」

八幡「唐突になんですか?」

陽乃「例えば、…………わたしが手伝って問題になったような事って何かなって、ね」

八幡「…………はぁ。思い出したくもないですが、俺達が高3の時、
   雪乃がせっかく準備したクッキーを由比ヶ浜に焼かせましたよね?」

陽乃「……あぁ、あったね。そういうことが」

八幡「あったねじゃないですよ。雪乃は怒るし、由比ヶ浜は泣きながら雪乃に謝るしで、
   大変だったじゃないですか。その光景をみて反省してくださるのならまだいいんです
   けど、そこからさらに雪乃を挑発していたじゃないですか。……まわりまわって最後に
   は俺のところに面倒事が集約してくるんですからやめてくださいよ。
   繊細な精神の俺がびっくりするじゃないですか」

陽乃「最後に無駄なフォロー入れるのもやめた方がいいわよ。しかもフォローにさえなって
   いなんだから困ったものね。あなた一人が悪者になってもどうしようもないし、あなた
   の性格を知っている相手に使うと、かえってあなたのことを不憫に思うだけよ」

 ほんと、他人のことなんてどうでもいいって顔をする割には、最後は自分が泥をかぶろうと
するんだもの。
 これはガハマちゃんや雪乃ちゃんじゃないけど、目の前で見ていると辛くなるわね。
今は大した内容じゃないから皮肉で言いかえせるけど、これが八幡を深く傷つける問題になると、
見てらんないわ。本人は傷ついたりしないって虚勢を張っちゃうのもさらに問題なのよね。

八幡「……すみません。どうもぬけきれないんですよ」

陽乃「それと同じようにわたしも雪ノ下陽乃がぬけきらないのよ」

八幡「そうですね」

陽乃「でしょ? ………………でも、あの時のクッキー。どうして失敗したのかしら?」

八幡「陽乃がなんか時間設定をいじったんじゃないんですか?」

陽乃「しないわよそんなこと。だって雪乃ちゃんが準備してくれたものをわざわざ炭にするだ
   なんて、もったいないじゃない? わたしだって楽しみしていて、早く食べたいなって
   思ってガハマちゃんにお願いしただけなのに。でもあれよね。
   どうして雪乃ちゃんの指示通りの設定で黒焦げになったのかしら?」

 あれ? 難しい顔しちゃってどうしちゃったのかな?

陽乃「……比企谷君?」

八幡「…………言って下さいよ。言わないとわからないですよ」

陽乃「なにを?」

八幡「なにをじゃないですよっ」

陽乃「ごめんなさい」




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