過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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997:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/09/10(木) 02:20:38.56 ID:jH3eRuI/0

 俺が勝手に沈んでいると、
前の座席ではいつものように姉妹のコミュニケーションが通常運転で行われている。
 先ほどまで陽乃さんが見せていたとげとげしさは抜け落ちて、
丸みを帯びた表情で雪乃と会話を楽しんでいるようだ。
 ただ、毎度ながら、俺を巻きこむのはよしてくれませんかね。

陽乃「完璧すぎないで意外な弱点がある方が殿方には好評のようよ。ね、比企谷君」

八幡「俺に振らないでくださいって」

陽乃「ありゃりゃ……。でも、嫌いではないのでしょ? むしろ好きで、
   大好きって感じかしら? うん、愛してるって叫んでもいいよ。許可してあげます」

八幡「ノーコメントで。それと、そんな許可はいりません」

陽乃「雪乃ちゃん。比企谷君は愛してるって耳元で囁きたいって」

 ノーコメントだと言ったじゃないですかっ。

陽乃「ノーコメントってことは、言いにくいコメントだって白状しているだけじゃない。
   つまり今回のケースだと、雪乃、愛してる、でしょ?」

人の心を読まないでくださいよ。しかも、心の中の言葉とさえ会話するのはいかがなものかと。

八幡「ノーコメントで」

陽乃「やっぱり可愛いってさ」

雪乃「……もうっ」

陽乃「このこのっ。雪乃ちゃん、照れちゃって」

雪乃「姉さん。前を見て運転してくれないかしら。事故を起こしたら大変よ」

陽乃「はぁ〜い」

 陽乃さんが雪乃をいじっている間も車は問題なく進む。
しかし窓の外を見ると雪乃の指摘通り雪ノ下邸に行く方向とは明らかに違っていた。
 さすがに方向音痴の雪乃といえども間違えようもない…………と思う。たぶんだけど。

八幡「陽乃さん」

陽乃「なにかな?」

八幡「やっぱり方向違いません?」

陽乃「あってるわよ」

八幡「でも、実家とは逆方向ですよね?」

陽乃「ああ、そういうことか」

八幡「というと?」

陽乃「だから、雪乃ちゃんにも言った通り道は間違ってはいないわ。
   だって雪乃ちゃんのマンションに向かっているんだもの」

八幡「そうなんですか? てっきりこのあと実家で一緒に食事をするのだとばかり思っていました」

陽乃「それは悪い事をしたわね。でも今実家では仕事の関係者を呼んでいるのよ。
   だから悪いけど実家は使えないの」

八幡「じゃあ、うちで一緒に食事をしてから帰るんですよね? 遅くまででしたら
   お義母さんが色々言ってくるでしょうからあまり遅くまではいられないでしょうけど」

陽乃「それもごめんさない」

雪乃「姉さん?」

 雪乃がつい呼びかけてしまったのも理解できる。俺もなにか違和感を感じたのだから。

陽乃「ん? ごめん雪乃ちゃん。今日はお母さんに呼ばれているのよ。最近わたしも家の方の
   お仕事をおろそかにしていたものだから、出ないわけにはいかないのよ。
   ……ほら、ストーカー騒動もあってあまり外には出ないようにしていたから」

雪乃「それならば仕方がないわね。でも姉さん。私も今度からはなるべく出席するわ。
   姉さんの代りができるとは思ってはいないけれど、少しは姉さんの負担を減らしたいわ。
   だから、その事をお母さんにも言っておいて。
   ほんとうは私が直接出向いて言うべきなのだろうけれど」

陽乃「大丈夫よ。でも、ありがとうね」

雪乃「姉さんが言ってくれないのならば、あまり気乗りはしないけれど、私が直接言うわよ?」



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